リニア将来構想検討会議開く

南信州経済

[ 2010年 10月 27日 水曜日 8時58分 ]

 17年後の開業をめざすリニア中央新幹線飯田駅設置を見据えた将来の地域像を検討する南信州広域連合の「リニア将来構想検討会議」(会長・宮島八束飯田商工会議所会頭、15人)の第3回会合は26日、飯田市りんご庁舎で開いた。4つのワーキンググループのまとめと有識者会議の各委員の意見を基に集約した「リニア将来ビジョン構想」(案)が事務局から示され、意見交換した。委員からは「よくまとまっている」との声の一方、「あまりにも格調が高くて、何を言っているのかわからない」といった意見もあった。必要な修正を加えたうえで、11月に広域連合へ提案する。

 リニア将来ビジョン(案)が示す将来の地域像は、対外的には「飯田下伊那が外来者の舞台になることや、地域外に情報を発信することにより、日本のモデル的事業の展開や世界で誇れるような地域になることを目指す」とする。

 ひとつは、時間距離の短縮によりアクセスが格段に向上することから、国内はもとより海外とのつながりもこれまで以上に高まる。このグローバル化を生かし、地域特有の伝統文化(例えば人形劇)を、外からの文化と融合しネットワークを構築したり、世界からの研究開発機能の集積など、人のつながりを大切にする風土を生かした「小さな世界都市」を目指す。

 もうひとつは、リニアの開通により多くの人と情報が往来することから、地域ブランドを確立し、先駆的なモデル都市になるような「多機能高付加価値都市圏」を目指す。例えば、飯田駅を起点とした公共交通機関を整備し、駅周辺をゼロエミッション区域に設定して、自然エネルギーもバイオマスなどを活用し地産地消できるような地域全体で低炭素社会の実現を目指す。このほかにも、産業機能の誘致、新たな産業創出、今ある地域資源のブランド化による産業面からのブランド化、高等教育機関を設置することによるブランド化も挙げている。

 対内的には「リニア開通による地域の変化には、地域が主導権を持って対応することが重要」だとして、「先人が培ってきた文化や伝統を守りながら、今後も飯田下伊那の住民が地域のことを自分たちで考えるまちづくりを進める」とする。

 ひとつは、飯田下伊那地域に今も残る「結い」の精神を大切にし、今後も住民が自ら活躍する地域、多様な主体が活躍する地域を目指す。このため、地域に目を向ける教育や、地域の若者が地域に定着する活動、地元の良さを情報整理し語り継ぐ仕組みづくりも必要だとしている。

 もうひとつは、「まち」「里」「山」などの多様な暮らしやコミュニティー、豊かな自然環境など地域の守るべきものは守るとともに、地域産業の競争力の強化など備えるべきものは備えていく地域づくりを目指す。

 こうした地域像を実現するためには、地域の内外を問わず情報発信が必要不可欠であり、お金や人などを今まで以上に使い、この地域をアピールする。また、飯田駅への交通アクセスが重要になることから、飯田線はもちろんのこと、中央自動車道や三遠南信自動車道との結節も考え、長野県の南の玄関口、三遠南信地域の北の玄関口となるようアクセスビリティーを高めるとしている。

  ◇    ◇

 リニア将来ビジョン(案)に対し、委員から「検討会議は自分たちの地域を見据える意義があったが、リニアが来ようが来まいが、農業をどうやって守り維持していくかの方が重要。17年後にリニアが来ると言っても、農作物の収穫は17回しかない。長いようで短い。世界的なブランドもあり、じっくり守り育てていきたい。地道に自然体でやっていくしかない」「趣旨は良いが、今後はそれを具体的にどうしていったらいいか地域合意を得るための具体的な論議が必要。リニアに対する考え方は多様だが、あまりにも知らないため未来を予測することができない」といった意見が出た。

 「知的産業と研究機関をぜひ実現してほしい。広域的な意見が多く、交通アクセスについて伊那谷全体を視野に入れる必要がある」「リニアにより東京と30分足らずでつながる画期的なチャンスを生かさねばならない。他に真似できないものをつくるとともに、自然や文化、人情を大切に守っていかねば。子どもたちが外に出ていってふるさとを語っていたが、これからは地域に残ってふるさとの良さをつくっていける環境づくりが必要」といった意見も。

 このほか「自分たちの住んでいるところに誇りを持つことは前向きでいいこと。検討会議はいいきっかけであり、今後も継続して議論していくことが大事」「三遠南信自動車道とセットで地域の発展を考えるべき。17年後に中心になっていく中学、高校生の意見を聞く場や、地域で中堅として頑張っている皆さんの声を聞く場を設ける必要がある」といった声もあった。

  

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