三菱重工業がスペースジェット凍結へ

南信州経済

[ 2020年 10月 26日 月曜日 15時31分 ]

 三菱重工業(東京)は、国産初の小型ジェット旅客機「スペースジェット(SJ、旧MRJ)」の事業を凍結する方向で調整している。飯田市の航空機産業の関係者は、複雑な表情で同社の正式発表を待っている。

 三菱重工業は23日以降に報道された内容について、自社と子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が発表したものではないとした上で「コロナの影響も踏まえ、引き続き開発スケジュールを精査するとともに、グループを取り巻く厳しい状況を考慮した適正な規模での開発を進めている。さまざまな可能性を検討していることは事実だが、開発の凍結を決定した事実はない」と説明。今月30日に公表する本年度第2四半期決算と合わせて通知する予定。

 飯田市では航空機を将来の地域を支える産業に育てようと、2006年に飯田航空宇宙プロジェクトが発足。同時期に多摩川精機を中核に、部品を製造する専門的な共同受注グループ「エアロスペース飯田」を立ち上げ、航空機部品の試作、量産に携わってきた。

 昨年1月には県航空機産業振興ビジョンの中核を担う拠点で、国内唯一の航空機システム支援施設「エス・バード」を飯田市座光寺に開所。試験研究開発の支援機能の充実を図ってきた。

 市工業課の市瀬智章課長は「生産販売面の影響は限定的だが、産業づくりに14年をかけてきただけに、精神的な影響が大きい。ただ、培ってきた技術は十分に広がる可能性があり、幅広く取り組んでいく必要を感じる」と話す。

 試験機器利用の引き合いは「結構な数が来ている」とし「今後も開発、今あるものを技術革新で変えていく動きがあり、そうした面で利用される」とみている。

 早くから航空宇宙産業に着目し、飯田航空宇宙プロジェクトの発起人となった南信州・飯田産業センター専務理事の萩本範文さんは「各国で取り組んだエアバス、米メーカーが合体して具体化したボーイングが決して順風満帆でなかったことからも分かるように、技術のハードルは高く、財政的にも三菱重工業1社だけに任せるのは難しかった。国の財政支援はほんの一部に過ぎず、分社などさまざまな手を打ったが、コロナが決定的な影響を与えた」などと話した。

 ただ「今後の日本を支える産業づくりの問題は何ら解決されておらず、人の動きが戻れば飛行機も再び利用されるようになる。航空機産業は依然として重要」とし、「航空機は技術レベルが高く、高いハードルを越えれば地域の宝、安定事業となる。航空事業者は今、黙って耐えるしかない状況。長丁場となるが、不断に努力をしていかねば」と話した。

 多摩川精機は「コメントは差し控えたい」としている。

◎写真説明:旧MRJ

  

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