上村の住民らが小水力発電会社設立

南信州経済

[ 2016年 10月 20日 木曜日 15時53分 ]

003上村

 飯田市上村の地元住民など4人が取締役を務める「かみむら小水力株式会社」が9月9日付で設立登記され、同月末までに前島衛社長(75)=同市上村=らに伝えられていたことが、分かった。上村程野地区の1級河川・小沢川(こざわがわ)に取水口を、上村川新程橋付近に発電所を設ける計画で、得た売電収益を地域振興や課題解決に活用する住民主体の小水力発電事業。前島社長は「2018年度中の本格稼働を目指したい」と話している。

 きっかけは市が2009年度に環境省の委託を受けて実施した小水力発電の導入ポテンシャル調査。13年には「飯田市再生可能エネルギーの導入による持続可能な地域づくりに関する条例」が施行され、市域の豊富な再生エネルギー資源を活用して活力ある地域づくりの推進がスタートした。

 この間、上村では小水力発電事業の検討協議会を立ち上げ、事業の資金調達や電力会社との取引の際に株式会社のほうが交渉しやすい―との判断から、前島社長を委員長とする会社設立準備会を発足させて計画を練ってきた。上村まちづくり委員会は6月定例会で会社設立を了承し、資本金となる100万円を寄付。9月正式に設立登記され、前島社長をはじめとする地元住民3人と社外取締役の計4人が役員を務める。

 飯田市によると小沢川上流に取水口を設け、約800メートルの導水管を引いて新程橋付近の発電所までつなげる予定。総落差90メートルの水路方式により最大180キロワットの発電を見込み、本年度は発電に利用できる流量の調査などを実施。詳細設計を経て来年度着工、18年度からの売電を目指し、近く水車メーカーへの視察も予定しているという。

 総事業費は約3億7000万円を見込み、うち9000万円は県から無利子の融資を受ける予定。市は施行した条例が、エネルギーを市民の共有財産とみなし、地域住民が優先的に活用できる「地域環境権」をうたっていることから、同小水力発電事業を「公民協働事業」に位置付けて信用補てんや金利無利子融資、助言などの面で支援する。

 前島社長は「いまはやらなければならないという強い気持ち」と気を引き締める。売電収入の使い道には小学児童や保育園児を増やすための対策費、地域活性化につながる起業支援、観光資源開発、農林業振興などに充てる案が挙がっているといい「せっかくある資源を活用し、地域最大の問題である少子高齢化の解消に多少なりともつながれば」と話している。

  

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