中学生体験教育旅行スタート

南信州経済

[ 2010年 5月 12日 水曜日 8時26分 ]

 南信州観光公社が受け皿を務める中学生の体験教育旅行が10日、東京都渋谷区の実践女子学園中学校と大阪市の玉津中学校の2校を皮切りにスタートした。6月まで都会の中学70校の生徒たちが来飯し、農家民泊しながら農業体験を中心に、様々な体験を繰り広げる。

 初日に受け入れたのは、実践女子学園中学校の160人と玉津中学校の113人。このうち実践女子学園中学校は2年生の移動教室で昨年に続いて飯田市龍江の農業法人今田平の田んぼで田植えを体験した。11日は第2班の120人が来飯し同様に田植えを体験。第1班は創立者の下田歌子さんのお墓参りのため岩村田に立ち寄り一足早く帰京した。

 同校の谷川由利子学年主任は「都会育ちの子どもたちは田植え体験がなかなかできない。田植えを通して農山村を体験したり食生活を考えてほしい。自然にふれ親しみながら現地の人たちとの交流もできれば」と話していた。

 体験教育旅行の教育効果の高さに着目した国は、一昨年4月から全国の小学生が農山漁村で1週間程度の自然体験・集団宿泊体験活動を行うセカンドスクール事業を開始した。しかし、昨年8月の政権交代に伴う事業仕分けで今年度予算が大幅に削減され、風前の灯火になりかねない状況になっている。

 体験教育旅行の先進地である南信州地域は全国50カ所の受入モデル地域に指定され、セカンドスクール事業の受入を推進するための態勢づくりを研究する南信州セカンドスクール研究会が一昨年3月に発足している。3年目を前に状況が一変する中でこの2月には「南信州セカンドスクール協会」に名称を改め、セカンドスクール事業の更なる推進と普及に向けた活動に取り組んでいる。

 こうした状況の中で、公社設立10年目の体験教育旅行がスタートした。飯田市観光課の事業として始まった1996(平成8)年から数えると15年目になる。公社によると、昨年は年間110校・1万5000人の中学生を受け入れた。ことしはセカンドスクール事業の影響で年間97校に減少する見通し。昨年230団体・7000人と順調に伸びている一般団体の受け入れでカバーしたい考えだ。

 体験教育旅行のメニューは100種類以上あるが、農家民泊しながらの農業体験が昨年は全体の51・7%を占めた。以下、ラフティングや自転車、カヌーなどのスポーツ体験18・3%、味覚体験10・7%など。受入農家は約450軒、インストラクターは550人で合わせて1000人が事業の運営にかかわっており、地域への経済波及効果は10億円近くに上るとみている。

  

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