飯田市上久堅の小野子(おのご)地区特産のニンジン「小野子人参」の収穫祭が8日、ほ場に隣接する集会所で開かれた。住民有志らでつくる「小野子人参クラブ」が主催する毎年人気のイベントとあって、売れ行きは好調。来場者には豚汁が振る舞われ、メンバーとの交流も深めた。
小野子人参は長さ50センチほどで、直径約3センチと細長く、甘みが強いのが特徴。クラブは40アールの遊休地を活用して栽培し、直売所や地元のイベントなどで販売している。
秋晴れの空が広がったこの日、開始早々に買い求める人の列ができ、メンバーは対応に追われた。標高800メートルほどのイベント会場からの眺望がくっきり見渡せ、赤や黄に色付く天竜川対岸の眺めを楽しむ人の姿も見られた。
今年は5月以降の天候不順の影響で収穫量は半減に。ただ味は上々といい、クラブ代表の長沼善朗さん(77)は「ミネラル成分を多く含むなど特徴のある特産の人参を、1人でも多くの人に楽しんでもらえたら」と話していた。
小野子人参クラブは2005年に結成。現在は60代を中心に35人で構成しニンジンのほかゴボウを栽培している。
◎写真説明:伝統のニンジンを販売するメンバー