信南交通が天竜舟下りを吸収合併 安定した経営基盤で集客強化図る

南信州経済

[ 2018年 9月 6日 木曜日 15時55分 ]

信南交通が吸収合併した天竜舟下り

 バス会社の信南交通(中島一夫社長)=飯田市大通=は3日、天竜川の弁天港から時又港の間で、川下り舟の運航やラフティングなどを手掛ける子会社、天竜舟下り(同市松尾新井)を吸収合併した。リニア中央新幹線の開通に伴い見込まれる高速バス事業の減収分を、舟下りなどの観光事業で補う狙い。合併による安定した経営基盤のもと、舟下り事業の人的、設備的投資を進め、観光客の受け入れ体制強化を図る。

 天竜舟下りは、1967(昭和42)年に信南交通の船舶部門が独立し、吉川建設(同市松尾町)をオーナー会社として発足。ピーク時には18万5000人余りが利用するなど、売上高は約3億5000万円に上った。

 以降、集客、売上ともに減少傾向が続き、2011(平成23)年に浜松市の天竜川で、同市の運航会社が起こした川下り舟の転覆死亡事故の影響により、風評被害が広がり利用者が激減。利用者は約5万7000人、売上高は1億5000万円程度となった。

 信南交通は、12年に吉川建設から天竜舟下りの全株式を買い取り、経営再建に着手したが、16年に軽井沢で発生した観光バスの転落死亡事故を受け、貸し切りバス料金の値上げが行われたことで、バスを使ったツアー客が減少。利用者数は約5万人、売上高は約8000万円にまで落ち込んだ。

 それでも近年は、大手旅行代理店を窓口とした、修学旅行でのラフティング体験需要の増加などもあり、利用者数は約7万人、売上高は1億4000万円ほどにまで回復。さらなる高まりが見込まれる需要に対応するため、今回の合併を機にラフトボートやガイドの拡充などを図っていく。

 主力の川下り舟事業をはじめ、全事業および従業員を引き継ぎ、「天竜舟下り事業部」を発足。人材の確保へ、季節雇用者の正社員化など雇用形態の安定も図る。また、ラフティング利用者用のシャワーやトイレの設置、老朽化が進む旧天竜舟下り社屋の建て替えなども見据える。

 中島社長(61)は「観光客の誘客やおもてなしなど舟下りの持つノウハウと、設備投資を可能とする経営基盤を持つ信南交通が一つとなることで集客力を強化し、地域の観光資源を守っていきたい」と力を込め、3年後の利用者数10万人、売上高2億円を目標とした。

  

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