リニア中央新幹線の開通を見据えた特産品開発としてチョウザメの養殖プロジェクトが進む豊丘村で9日、チョウザメを使った初の料理コンテストが開かれた。飯田下伊那地域などで飲食店を経営する料理人ら11人が出品。飯田市南信濃で「食楽工房元家」を営む片町元彦さん(44)考案の「南信州ナポレオンバーガー」が最優秀賞に選ばれた。
下平喜隆村長ら審査員5人が、見た目や味、独創性、普及性などの観点から審査した。
片町さんは、チョウザメが「皇帝魚」とも呼ばれることから命名。チョウザメのフライを地元産野菜とともにバンズに挟み、遠山郷の特産「二度芋」(小ぶりなジャガイモ)チップを添えた。「しっかりとした肉質のチョウザメには、酸味とチーズのコクがとても良く合う」と、焼いたバンズにクリームチーズを塗り、フライの上にはタルタルソースをたっぷりかけるなどの工夫をこらした。
受賞に「うれしさとともに、責任を感じている。誰もが気軽に食べることのできるファストフードとして開発した商品。道の駅をはじめ、さまざまな場所で食べられるようになったらうれしい」と笑顔を見せた。
コンテストには、和食や洋食、創作料理がずらり。料理人たちが見た目や味、食感、食材まで趣向をこらした。下平村長は「地元の物や旬の物を取り入れる工夫に感激した」と講評。この日、村のチョウザメ大使に就任して審査員も務めた、伊那市出身のご当地アイドル成美さんは、「どれもおいしく無限の可能性を感じた」と、特産品化へ手応えを口にした。
プロジェクトリーダーの片桐久典さん(65)は「受賞料理を活用してチョウザメの需要拡大を図るとともに、養魚部門、加工部門を設けるなど、安定供給できるシステム作りを進めていきたい」と力を込めた。
◎写真説明:ナポレオンバーガーを手にする片町さん