飯田市大休の多摩川精機(関重夫社長)は、韓国電力社向け曲率測定用プローブとして、同社のジャイロ技術を利用した、カメラと内径測定器付の「TUG―NAVI(タグナビ)」を開発した。
タグナビは、同社の技術であるジャイロと加速度計を組み合わせた管路孔曲り測定装置。地下に埋設された管路にセンサープローブを通すことにより、計測したデータからその線形を描くことができ、地上からは見えない管路の孔曲がりを正確に把握できる。
韓国では古い電力地中管路において、埋設された当時のマップとの相違が大きいことがあり、図面では直線になっているが、実際には曲がっており、工事によりケーブル切断などの損傷事故が発生しているという。
さらにほとんどがジャバラ管のため、水、泥、石、砂などの異物が多く、土圧により管路内部がゆがんでいることも。従来の測定方法では、曲率測定、異物検査、管路径測定を別々のセンサーで行っていたため、時間や費用面でデメリットが生じていた。
このような状況の解消を目的に、韓国大陸電設社(韓国電力仁川本部)から同社に相談があり、製品化に着手。曲率測定、異物検査、管内径測定を一度にできるタグナビを開発し、測定時間や工期の短縮を実現した。
開発は2014年度からスタート。今年8月に韓国国土地理情報院により新たな曲率測定法として認定を受けた。すでに5セットが納入され、現場で稼働している。本格運用は19年度から。
同社は、韓国電力以外のインフラ測定や他国向けにもタグナビの拡販を検討している。