県の信州伝統野菜に認定されている天龍村特産「ていざなす」の収穫が同村内で始まった。長さ25センチ、重さ450グラムを超える巨大ナスで、大きさとともに果肉の柔らさや甘みの強さが人気。生産している天龍村ていざなす生産者組合(秦正組合長)は新たに共選共販体制を整え、増産や品質の安定化を図っている。
ことしは同組合に所属する平岡や向方、中井侍地区の23戸が栽培。植え付け本数を増やして増産を図り、前年度を8000本上回る2万5000本前後の出荷を目指している。
収穫は6日からスタートし、8月にピークを迎える。干ばつにより品質にばらつきが見られるものの、天候が安定してきていることから「今後は質も向上してくるはず」と天龍農林業公社副社長はみている。
みそ焼きや焼きナスなどへの活用で人気が出始めていて、ことしも県内の量販店や農作物直売所、東京都や昼神温泉の料亭などに出荷する計画だ。
「出荷規格を統一し、単価向上を図ろう」と、同組合は新たに共選共販に着手。連日早朝に平岡の農林業公社に集まり、共同選果を行っている。
ていざなすは1887(明治20)年ごろ、東京の種苗店から種を取り寄せて栽培を始めた神原地区の田井澤久吉さんの名にちなんだもので、元々は「たいざわなす」と呼ばれていた。米ナス系の大型ナスで、大きいものは長さ30センチ、重さ1キロに及ぶ。
出荷は10月まで。ていざなすに関する問い合わせは同公社(電話0260・32・1160、FAX0260・32・1165)へ。