秋の果物狩りシーズンが本格化し、松川町の観光を担う「南信州まつかわ観光まちづくりセンター」は町独自の感染症対策ガイドラインの周知に力を入れている。来訪者に注意点を分かりやすく伝えるため、独自のチラシや動画を作成。町観光サイト「だんだん好きになる旅まつかわ」などで公開している。
町独自の感染症対策ガイドラインは、町出身で免疫学専門家の宮澤正顕近畿大学教授と観光農園が打ち合わせを重ねて作成。科学的な根拠に基づき、各農園で実現可能な内容にした。
観光農園向けには「サクランボ狩り編」を皮切りに品目ごと作り、直近の「リンゴ・ナシ狩り編」では、直売所の運営や団体バスツアーの受け入れについても対策基準を盛り込んだ。
観光農園だけでなく、宿泊施設や観光案内所、体験プログラムなどのガイドラインも作成。今後、観光客を受け入れる飲食店向けにも作る。
同センターは8月中旬から9月初旬にかけ、町内の観光受入れ農家を対象に説明会を開催した。ガイドラインの解説と実施農園の事例発表、宮澤教授のセミナーを盛り込んだ内容で、全7会場で200軒ほどの参加があった。
ガイドラインを順守する「withコロナしっかりやっとるでな宣言」には、これまでに100軒ほどが申請した。
順守者には同センターからラミネート加工したポスターと宣言書1枚ずつと、来訪者向けチラシを必要数配布。町も、ガイドライン順守者向けに感染症対策資材の導入補助制度を設ける。
秋のシーズン向けに新たに作成したチラシは、果物狩り来園時の注意事項などを絵本作家によるイラスト付きで解説した。また、公開中の動画では実際のサクランボ狩りの映像を交えながら注意点を紹介している。
同センターで感染症対策ガイドラインを担当する北原太志郎さん(39)は「きちんとした予防策をとれば園主や家族、来訪者、地域住民の健康を守ることができる。今後は、県外ナンバーの車が来訪することに地域の理解が得られるよう、町民向けにも取り組みを周知していく必要がある」と話していた。
◎写真説明:来訪時の注意点をイラスト付きで解説