小水力発電機の公開実験で発電効率模索

南信州経済

[ 2012年 11月 9日 金曜日 15時51分 ]

 飯田下伊那地域の精密機械部品加工などを手掛ける企業グループ(幹事社・マルヒ=飯田市桐林)が製品化した小水力発電機「すいじん3号」の使用実験が7日、飯田市鼎切石の松川で行われた。飯伊の自治体関係者をはじめ、県内外の環境関連企業、精密機械企業など約60人が見守るなか、発電機とプロペラの組み合わせなど、より発電効率の良い使い方が模索された。

 ことし2月科学技術振興機構(JST)から、南信州・飯田産業センターの飯田ビジネスネットワーク支援センター「ネスクイイダ」に製品化の依頼が入った。ネスクは、精密機械加工、電子部品設計、光学部品製造などの技術を持った企業約80社で構成し、共同受注、共同開発などを展開する。このうち小水力発電機の共同開発には、マルヒをはじめ、同座光寺のサンリエ、同桐林のテクロン、同羽場権現の矢崎製作所、下條村のシンワ工機の5社が参加した。

 JSTでは、小水力発電が普及しない要因として、設置費用に対し経済効果が少なすぎると指摘し、経済効果を上げることで普及を図りたいと、出力3キロワットで60万円(水車付)と、相場の約3分の1ほどの目標価格を設定した。5社では、ネスクの木下幸治オーガナイザーのアドバイスにより、発電機とモーターの原理が基本的に同じ点に着目。精密モーターの製造が盛んな地域の特性を生かし、新たに専用の設備を導入せずに既存の設備や大量生産部品などを活用するとともに、水車部分は市販のモーターボートのプロペラを使用するなどの工夫をこらした結果、見事に58万円という低価格の発電機を完成させた。これまでに、飯田市をはじめ九州大学、群馬大学などへ計4基を出荷している。

 発電機は、直径14センチで全長60センチ。最大出力は3キロワット。実験では、河川内に設置された、長さ約20メートルの導水管の先端部分の管内に据えられ、河川内の高低差を利用して流れてきた水を受けてプロペラが回転し、発電した。プロペラの形状や材質などを変えながら発電効率を探り、アルミ製のプロペラを使った際の出力は1・2キロワット(有効落差1・3メートル)だった。

 マルヒの後藤大治社長は「今回の実験結果を踏まえ改良し、来春には一般向けの販売までこぎつけたい。国や県が進める創エネルギーの推進や、地域経済の活性化に少しでも役立てれば」と話した。河川での実験は今回を含め計3回行い、一区切り。今後は浄化槽や工場の排水施設などでの利用を想定したリザーブタンク方式の実験に移行する計画という。

  

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