市田柿本舗ぷらうが本格スタート

南信州経済

[ 2009年 11月 6日 金曜日 9時45分 ]

 柿生産農家から生柿を買い取り、加工販売までを手掛ける農業生産法人「市田柿本舗ぷらう」は、高森町山吹の「柿の里」で柿むき作業が始まり、初年度の事業が本格的にスタートした。売上目標は約3700万円を見込んでいる。

 市田柿は、特許庁が商標登録した飯田下伊那地域の特産品。全国に知られた干し柿のブランドで、数ある果実の中で価格の乱高下が少ない安定作物。管内の栽培面積は約460ヘクタールで、2000戸余りの農家で生産し、出荷高は約25億円(2008年度実績)。

 干し柿生産は、栽培から収穫、柿むき、乾燥、柿もみ、出荷まで手間がかかる上、食品のため衛生面の配慮が欠かせない。また、高額な柿むき機や干し場の確保など、施設面の投資も必要で、労力と経費両面で課題は多い。

 このためか、後継者が育たず、農家の高齢化は進み、最近は実りの秋を迎えても収穫を放棄する園が増える傾向にある。JA生産部が柿生産農家に独自調査した結果では「後継者がいない」「労力がなく、栽培管理は何とかできても収穫後の作業は無理」「数年後にはリタイアしそう」などの回答が多く、新法人設立は、こうした事情が背景にある。

 JA出資の法人「市田柿本舗ぷらう」は6月に設立。その後、今年産から事業開始する準備を進めていた。ちなみに、柿生産農家が加工できず、廃棄されている生柿は、年間150トンにも上るという。新法人は農家から生柿を買い取り、加工・販売、柿園の借り入れと管理を中心に事業展開し、農家が長く生産にかかわっていくことで農地、農家、農村を維持していく環境をつくっていくのが狙い。

 高森町山吹の加工工場は、JAみなみ信州の柿の里を借り、そこに最新式の吸引皮むき機9台を導入、人員は24人。ことしは飯伊全域78戸の農家から生柿を買い取り、選別、柿むき、吊るし、ハウスに乾燥、粉出し、出荷までを行う。初年度出荷高の目標は、約3700万円を見込んでいる。

 市田柿本舗ぷらうの羽生光志常務は「まだ手探りの状態だが、ことしは霜で着果量は多少減ったものの、品質的には問題ない。不況が消費マインド、価格にどう影響するか、その方が気になる。この加工事業が順調に推移し、農家の所得向上に少しでも貢献するようにしたい」と話している。

  

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