JR東海の「飯田線秘境駅号」運行に合わせ、県南信州地域振興局は23、24の両日、天龍村のJR飯田線平岡駅でおもてなしイベントを開いた。秘境駅号の乗客に南信州の魅力を知ってもらい、再び訪れてもらおうと、管内市町村や観光関係者が協力し、旅の思い出に残るおもてなしで歓迎した。
豊橋駅―飯田駅間で運行する秘境駅号は、特急列車では通過してしまう秘境駅に停車する観光列車。本年度で運行10周年を迎え、5月にはクールジャパンアワード2019を受賞するなど人気を集めている。
イベントは、上下列車が平岡駅に停車する各30分ほどの時間を利用して実施。「歓迎ようこそ南信州へ」の横断幕を広げ、駅に到着した電車と乗客を迎えた。
駅横の桜並木駐車場では、振興局や飯田下伊那の市町村がブースを展開。中井侍茶と南信州産シードルの試飲や、五平餅、アマゴの塩焼きの販売を行ったほか、大鹿歌舞伎や遠山の霜月祭り、新野の雪祭りなど南信州の伝統芸能をPRするパネルを並べた。
地元天龍村はゆず果汁やゆず胡椒など特産のユズを使った商品を提供。また、満島神社の氏子青年が勇壮な掛け太鼓を披露し、多くの乗客でにぎわう会場を盛り上げた。
静岡市から友人3人と訪れた女性(75)は「伝統芸能を継承しようと取り組む若い人が多く、頼もしく感じた」と話した。
振興局商工観光課の担当者は「まもなく霜月祭りや冬祭りの季節を迎える。イベントを通じて魅力を知ってもらい、また南信州を訪れてほしい」と話していた。
◎写真説明:掛け太鼓でおもてなし