高森町の市田柿発祥の里活用推進協議会(新井徳二会長)は4日、市田柿を活用した新商品「柿うどん」の試食・発表会を同町福祉センターで開いた。試食した関係者約30人は「つるつるしている」「のどごしがいい」「こしがある」などと好評だった。
柿うどんを発案したのは、同協議会の企画開発部長で市田柿の生産加工を専門とする天竜産業の原八州彦社長(61)。18年ぐらい前から、捨てている柿の皮を活用できないかと考え、柿の皮の粉末をかりんとうの中に入れてみたこともあったが、揚げることで柿の味がしなかったという。
6次産業化プランナーで長野市の割烹料理店主に相談したところ、うどんにしたらいいのではと助言を受けた。紹介された同市の製麺会社に試作品を依頼したところ、のどごしのよさに「夏場の商品としていける。冷やしうどんやざるうどんに向いている。サラダにしてもいい」と商品化に踏み切った。
柿うどんを試食した同協議会の新井会長(80)は「平成18年の発足当初から市田柿を活用した生菓子やチップなどの商品開発を進めてきたが、なかなかできなかった。今回の柿うどんは一般に商品化できる可能性がある」と手応えをアピール。同町商工会の北城勇会長も「のどごしがよく、市田柿の独特な香りがいい」と太鼓判を押した。熊谷元尋町長は「年に1回学校給食で提供したい」と述べた。
原社長は「うどん粉と塩に柿の皮の粉末(5%)を入れただけ。着色剤を使わず、そのままのものを提案している。明日から町内の飲食店(割烹旅館美好、おさかな亭いおり)で提供を始める。徐々に広がっていき、町の特産品になればそれこそいい」と話した。