飯田下伊那地域で新たに就農した13人を対象にした新規就農者激励会が9日、飯田市内であった。今後の円滑な農業経営や仲間づくりに向け、先輩就農者や農業団体が体験談や活動紹介などを行い、後方支援を約束した。
仲間づくりの場として、新規就農者の定着を目指す県下伊那農業改良普及センターが毎年開いている。本年度は前年より9人少ない13人が新規に就農しており、全員が参加した。
会場となったJAみなみ信州営農部の大会議室には就農者の他、同センターやJA、農業委員の関係者、飯伊で多彩な活動を展開している農業団体のメンバーら約50人ほどが参加し、エールを送った。
あいさつで下島秀昭同センター所長は、ここ6年間の新規就農者が119人になっているとし、「共に農業を目指す人たちの出会いの場にしてほしい」と強調。JAみなみ信州の小林正和常務は「生産者の高齢化と遊休農地の拡大がこの地域の農業の課題。若い皆さんの就農はうれしい限りだ」と歓迎の言葉を寄せた。
出席者らは自己紹介に続き、将来への抱負を語った。松川町で水稲栽培を始めた久保田純治郎さんは「しっかり技術を学び、生産を通じて地域貢献していきたい」と語った。県外出身者の姿も目立った。
阿智村で有機農業に取り組む神奈川県出身の板橋耕平さんは「まだまだ未熟だが、教えていただきながらしっかりやっていきたい」。松川町の叔父と果樹園を営む名古屋市出身の奥村祐哉さんは「果物の消費量減や温暖化の影響も心配されるが、それらも視野に入れながらおいしい果物をつくっていきたい」と決意を述べた。
先輩農業者や複数の地域農業青年組織が活動を発表した。
脱サラ就農し、2001年から豊丘村で市田柿などの生産に取り組んでいる船橋正晴さんは、自身の体験から、仲間づくりや経営計画の設定と日々の記録、休暇取得の大切さなどをアドバイスした。