松川町観光案内所みらいで今秋、新たな体験プログラム「落花生の収穫体験」が始まった。提供する牛久保二三男さん(64)=上片桐=のユニークな人柄とともに、生落花生のゆで豆を楽しめる。
牛久保さんは14年ほど前、千葉県で品種改良された極大粒の落花生「おおまさり」の栽培を始めた。落花生は通常、焙煎したものを食べるが「おおまさり」は実がやわらかく、ゆで豆に最適。試行錯誤しながら独学で栽培方法を確立した。
当初は生落花生になじみがなく、直売所に置いても買い手がなかった。塩ゆでしたものを試食提供して徐々に味を広めた。
粒の大きなものを選んで自家採種して増やし、だんだんと土地に合った落花生になってきた。現在は25アールで2500株を栽培し、飯田下伊那地域の直売所で人気を集めている。
収穫体験では、馬の堆肥を使った土作り、農薬をなるべく使わない野菜作りへのこだわりなどを紹介しながら、畑で1株(800グラム)を掘り起こす。ゆでたての落花生も味わえる。
開始から間もないため、これまでの利用は2組のみだが、「すごくおいしい」と好評だった。
観光案内所を運営する「南信州まつかわ観光まちづくりセンター」は今年から、新たな観光サイト「くだものと、」を立ち上げ、主力の果物狩りにプラスして楽しめる体験プログラムづくりに力を入れている。
秋は農園に直接申し込む常連客が多くて観光案内所の利用が少なくなること、牛久保さんがツリードーム宿泊客向けに夏野菜収穫体験を提供してきたことから、秋の新たな体験として落花生収穫を企画した。
観光案内所は「牛久保さんの落花生は、本場千葉県の人が驚くほど。面白い人柄とともに町の魅力を感じてもらいたい」と呼び掛けている。
体験受け入れは今月末まで。前日までに予約が必要。問い合わせは、観光案内所みらい(電話0265・36・6320)へ。
◎写真説明:牛久保さんが育てた大粒の落花生