産官連携で新製品開発、皮むき機と地震速報受信機

南信州経済

[ 2010年 3月 23日 火曜日 15時35分 ]

 飯田市下殿岡の三和精機と同市駄科のテレネットはそれぞれ、飯伊地場産業センターとの連携により開発した新製品を19日、発表した。その特徴をPRすると同時に販売方法などの説明が行われ、牧野光朗同センター理事長は「いかにしてアイデア、技術の種を製品開発までに結びつけるか。自立度を上げる産業のパワーアップ」と地元から生まれた新しい商品に期待を寄せた。

 自動車、半導体産業向け機器を手掛ける三和精機は、南信州ブランドである市田柿向けの自動皮むき機「楽柿(らくがき)物語」を開発。地元農家が県外メーカーから柿むき機を購入している点に着目し、コストを抑えて市場投入する。

 従来の「針刺し」や「吸引式」とは異なり、柿を上下で抑えながら皮をむく方式で、機械内にエアー機器を一切使わず、またヘタ取りと皮むきを同時処理することでコスト削減につなげた。

 同社の沢宏宣専務は「針も上部で使うが、果肉には2ミリしか刺さらず、また消毒機器の標準装備により、皮むき処理することでのカビ発生はない」と説明。「柿は自由形状で、きれいにむき上げるのが大変だった」と話し、柿全体の83%が残るよう皮むきの歯に工夫を施し、さらに柿が落ちないよう工夫した富士山形のローラー部分は歯の仕組みと合わせて特許申請する。

 開発商品は2種類で、最重要点に掲げたコスト削減により、全自動皮むき機が98万8000円、1個載せ自動皮むき機が77万7000円。販売は委託せず同社で行い、初年度は100台の販売を目指す。沢専務は「皮むきだけでなく、つるしの部分まで自動化できる商品開発を進めたい」と意欲を語った。

 通信サービスコンサルティングのテレネットは、4年前から着手してきた緊急地震速報の受信装置普及の実績を踏まえ、既存の自販機に設置する緊急地震速報受信機を発表。受信料がかからないラジオ電波を利用することで、電波配信後1秒以内に受信機がとらえ、設置のスピーカーから速報が流れる。

 システム構築には飯田下伊那地域の精密、電子、光学分野などの企業らでつくる第3セクターの共同受注窓口「NESUC―IIDA(ネスクイイダ)」が開発協力し、各飲料メーカーとレンタル契約を結ぶ。自販機設置業者はコストゼロで導入できる仕組みだ。

 すでに工場・倉庫、工事現場など全国各地で設置が進み、同社の青山貴子社長は「必要性を感じても、インフラ代など設置に踏み出せない事例は多い。無料提供することで普及が進めば」と話した。同席した飯田精密機械工業会の矢崎隆司会長は「産官連携の流れは工業会の中でも起きている。需要のある商品を地域内連携により開発し、全国に発信していきたい」と述べた。

  

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