県と飯伊森組が衛星通信で伐採現場の生産情報を管理

南信州経済

[ 2009年 11月 6日 金曜日 9時15分 ]

 県などは飯伊森林組合(林和弘組合長)と協力し、伐採現場の生産情報を衛星通信を介して同組合の木材流通センター(喬木村阿島)で管理し、加工業者からの注文内容に合致した木材を現場から直送する「次世代型県産材供給システム」の開発事業に取り組んでいる。先月末から今月5日まで、天龍村の伐採現場などで実証実験を展開。狙いとする▽木材供給の迅速化▽コストの削減―に効果的かどうかや実用化に向けた課題を検証した。

 新システムでは、伐採・造材(丸太化や玉切り)する林業現場から衛星通信で、生産材の▽太さ▽長さ▽直や曲がりの度合い―などのデータを本数を含めて同センターへ送信。一方の製材業者などはインターネットを利用して、求める木材の情報を同センターへ送る。集積情報を照らし、同センターが注文を満たす現場へ搬送内容を指示したり、搬送車を手配したりして業者へ直送する仕組みだ。

 同組合によると、管理する山林で伐採・造林された木材の供給体制の現状は、現場の手間などを考慮して、入札にそぐわない材を含むほとんどを同センターへ搬送。そこで種類や長さ、径などを区別して競りにかけている。

 県や同組合は今回の新システムが機能した場合のメリットとして▽各現場でどのような造材がどれだけあるかを把握でき、業者の需要に素早く対応できる▽並材やチップなど入札にそぐわない材はコストをかけずに需要者に送れる一方、良質な材を集めての競りを強化できる▽経費削減に伴う森林所有者への利益還元の増―などを期待している。

 先月30日からの実証実験には、県や同組合、システム開発に携わる企業、飯伊を中心とした製材業者4社などが参加。▽林業現場でプロセッサ(作業機械)による造材時における木材の測定▽同センターへ衛星を使った木材データの転送▽製材業者からのインターネットを利用した注文入力▽運搬する木材や運搬先の指示などGPSを使った管理―などの実験を行った。

 4日は同センターが事前に集積した現場と業者からの情報に基づき、天龍村神原大河原のスギの伐採現場で注文に合致した造材をトラックへ積み込み、業者へ搬送。搬入現場や納品先で機械の端末を使い、出荷品のデータ入力、伝票や納品書の作成などを行った。

 県林務部信州の木振興課の今尾春彦主任はシステム開発について「木材供給の迅速化とコスト削減が最大の目的」と指摘。システムの稼動に伴う関係者の具体的なコスト分析や、スムーズな運用に向けたシステム改良などを図り、実用化につなげたい考えを示した。

 実用化に向けては、コストの見極め、作業や機能の円滑性などの面で課題も残る。4日の実証実験では現場の搬入時に、数量や太さなどで注文内容と若干の誤差が発生。「業者からの注文に対し、随時、量的、質的に供給体制が確保できるかどうか」といった声も出た。

 今回の事業は2007年度からの3カ年計画で、国が毎年、事業費約1500万円を全額補助してきた。同組合は次年度以降も県とともに実用化に向けた研究、改善を進めたい意向で、同センターの前島浩司センター長は「細かな検証はこれからで、今すぐ実用化とはいかないが、改良研究を進めて将来的にはぜひ実現させたい」としている。

  

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