知の拠点整備で旧飯工施設譲渡へ

南信州経済

[ 2016年 8月 22日 月曜日 15時12分 ]

知の拠点飯田工高

 南信州広域連合が旧飯田工業高校(飯田市座光寺)の施設を活用して産業振興や学術研究機能を集約する「知の拠点」構想で、施設所有者の県がその一部を広域連合に無償で譲渡する方針を固めた。構想の推進、実現により、航空機分野をはじめとする県全体の産業振興につながると判断。利用計画が具体化している部分から分割して譲渡していく意向という。同広域連合は22日午後の同議会全員協議会で状況を説明。了解を得て、県との正式な手続きに入り、9月中にも譲渡契約を結ぶ。

 「知の拠点」構想のうち、産業振興関連は、来年4月の開講を目指す信州大(本部・松本市)の航空機システム共同研究講座や南信州・飯田産業センター(飯田市上郷別府)の機能移転などが柱となっている。

 同広域連合の説明によると、本年度は主要な校舎施設のうち、信大の講座で活用するために必要な「電気科混合棟」をはじめ、「機械科棟」と「体育館棟」の計3棟の無償譲渡を受ける。その他の施設や土地は当面の間無償貸与となる見通し。

 県は施設の無償譲渡の条件として▽県全体の航空機産業等の振興に活用される▽「県航空機産業ビジョン」に基づき、試験、研究、人材育成等などに資する用途に活用される―ことを挙げ、全県の多様な産業振興へ波及させていく意義を強調している。

 「知の拠点」構想ではこれまで、残る「管理・教室混合棟」を活用して、飯田市歴史研究所(同市上郷飯沼)の移転やアーカイブ(記録保管)機能の拡充など「地域振興」関連の拠点整備も柱にしてきたが、産業振興への施設活用を主条件とする県の意向を受け「地域振興の知の拠点関連は(旧飯田工高施設の活用とは)別に検討を進める」方針にあらためる。

 同広域連合は22日の同議会全協で、管理・教室混合棟の新たな活用案について「国やJAXAなどの試験研究施設の誘致を目指す。利用計画が明確になった時点で県と協議したい」方針も示した。

 今後の譲渡、貸与施設の管理運営などをめぐっては、県と広域連合などが運営協議会(仮称)を設置し、課題の解決に向けた協議を行う方針。南信州・飯田産業センターを指定管理者とする案が有力だ。

 同広域連合は早ければ10月から来年3月までの1期工事として、電気科混合棟は教室内部や空調・エレベーターなど全面的な改修整備を行うほか、「管理センター」機能も見込む機械科棟は高圧受変電設備や事務室改修など一部整備を、体育館棟も航空機部品の耐久性を調べる氷結試験機器の設置箇所の整備を予定する。

 設計を含む事業費約3億3000万円は、前年度末に国の地方創生加速化交付金を原資に予算計上している。

 来年9月ごろからは2期工事として、機械科棟や体育館棟などの改修を計画し、主には産業センターや公設試験場の機能に関わる整備を進めたい考え。産業センターの移転オープンは2019年4月を目指す。概算事業費は14億円余と算出しており、財源や市町村負担など詳細の検討を進める。

 同広域連合と同議会、同産業センターは今年1月に県庁の阿部守一知事を訪れ、同校の利活用への格段の支援と配慮を要望していた。

 県は5月に「長野県航空機産業振興ビジョン」を公表。「本県の航空機産業を、さらに上のステージに引き上げるとともに、県全体へ波及させることにより、県の産業活性化を目指す」とし「ビジョン推進に向けたシナリオ」の中で、信州大の航空機システム共同研究講座の実現、試験研究開発支援機能の構築に向けた南信州・飯田産業センターの集約化などを盛り込んでいた。

  

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