JAみなみ信州(寺沢寿男組合長)は、日本弁理士会主催の「第7回知的財産活用表彰」で、最高賞にあたる「知的財産活用大賞」を受賞した。農業分野の市田柿で知財戦略を国内外で実施し、知財の活用による雇用の促進や地域への貢献など広範囲にわたる活動が評価された。
経済産業省が実施する「知的資産経営WEEK」に合わせ、営業秘密保護やブランド、デザイン、標準化などを活用し、知的資産経営に積極的に取り組む中小企業や団体を表彰している。新型コロナウイルス感染防止のため、26日にオンラインで表彰式が行われ、寺沢組合長が市田柿の知財活用の取り組みを紹介した。
同JAは、模倣品の流通や2003(平成15)年の暖冬によるカビの大発生などを契機に、産地全体でブランドの維持・向上を図るため、06年に地域団体商標を取得。07年に市田柿ブランド協議会、市田柿商標管理委員会を設立した。16年には農林水産省の地理的表示(GI)登録を受けた。
また、海外では09年に香港、10年に台湾で商標登録し、現在、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールで海外GI登録を申請している。
寺沢組合長は「過去の受賞者を見ても農業分野はほとんどなく、大賞の受賞は光栄。種苗法の改正からしても、農業での知財活用が今後ますます重要になってくる」と話した。