若手就農者が廃果リンゴでシードル 果実酒特区の下條村で

南信州経済

[ 2016年 12月 24日 土曜日 14時10分 ]

醸造タンクが設置された仕込み工場内と櫻井社長

 廃果リンゴを使ったワインやシードルの商品化を目指し昨年10月に設立した下條村睦沢の株式会社「道」(櫻井隼人社長)が、飯田税務署から20日付で果実酒醸造免許の交付を受け、初めてとなる仕込みを年内に開始する。村は7月、構造改革特別区域計画のうちの「果実酒特区」に認定されており、製造量や販売面で若手就農者を支援。村の基幹産業である農業の活性化を後押しする。

 

 リンゴ生産農家のカネシゲ農園(古田康尋社長)=同村睦沢=は傷ついて出荷できないリンゴを有効活用し、ジュースを年間約1万5000リットル製造する。その搾汁(さくじゅう)設備を利用して、ワインとリンゴを発酵させて造るシードルの製造に着手する。古田社長(31)が、同級生で都内の飲食関係で働いていた桜井社長(32)=飯田市千代出身=に声を掛け、新会社を立ち上げた。

 

 櫻井社長らは8月に果実巣醸造免許を申請。国や村の補助も得ながら発酵させるための醸造タンクを購入し、既存の搾汁施設と合わせて10月までに製造工場を完成させた。原料となるリンゴ(ふじ)も十分な量を確保してあり、27日から初仕込みを開始する予定だ。

 

 村は農家の高齢化や遊休農地が拡大傾向にある中で、新規就農の促進と農家の安定経営を支援しようと、製造量などが緩和される特区認定を受けた。

 

 村内全域が対象で、村が指定するリンゴやナシ、ウメ、カキ、モモなどの地域特産物を原料とした果実酒かリキュールの製造量が緩和される。これにより若手農業者が6次産業化や新たな特産品製造に取り組みやすくなり「リニア時代を見据え、観光客を呼び込む観光資源になれば」と期待する。

 

 10~30代の新規若手就農者ら4人を主軸に取り組む新たな試み。シードル製造で先行する飯田市や松川町への視察を重ね、情報交換も積極的に行ってきた。櫻井社長によると初回はワインとシードルで計3000リットルを製造し、来年5月の大型連休に初出荷する予定。「廃果リンゴに付加価値を付け、若者で取り組むことが強み。自分たちのやり方でどこまで出来るか挑戦したい」と櫻井社長。「将来的にはワイナリーを形成し、観光として誘客できるようになれば」と意気込みを語る。

  

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