農産物の販売をめぐる懇談会

南信州経済

[ 2010年 2月 15日 月曜日 9時33分 ]

 農産物の販売をめぐる懇談会が12日、飯田市鼎のJAみなみ信州生産部で開かれ、生産、流通、小売の関係者がパネルディスカッションを行った。低価格化競争の激化や温暖化による出荷期の集中で単価安が続くなか、みなみ信州産農産物の売り場拡大を目指して意見交換。多様化、集約化がはじまった流通システムの変革に応じた販売事業の見直しなどについて、考えを深めた。

 主催したJAみなみ信州の職員と、生産者ら120人が出席。同JA関係者に加え、市場から名果の加藤久幸常務、小売からユニーの山之口幸広青果部チーフバイヤーら6人が「JAみなみ信州農産物の売り場を確保するには」をテーマに意見を交わした。

 同JAの田内市人常務は、新たな「うまいん谷」のブランド戦略や、県内外で販売促進活動をする「うまいん谷応援隊」を発足した経過を紹介。価格の安定化に向け、生産者と売り場、消費者が質と絆で直接的に結びつく信頼型取り引きの実現を目指す考えを示した。

 名果の加藤常務は、温暖化による出荷期の集中と下級品の増大が小売店間の低価格競争にうまくはまってしまっていると指摘。量販店主体の出荷が中心の時代にあって、「産地もターゲットを明確化した販売戦略が必要だ」とした。

 ユニーの山之口チーフバイヤーは、多チャンネル化しつつある流通の実態を紹介。「低価格競争下で、小売、生産者の双方に価格の正当性を伝える努力が求められている」とし、「消費者にアピールするため、小売としては産地とのつながりを大切にしたい」と思いを語った。

 講師として講演した斉藤修千葉大学大学院教授は、「産地が今以上に利ざやを取るべきだ」とする考え方を示した。

 市場の役割の一部を担いはじめた量販店の実態を挙げて、「これまでの市場間競争の時代からシステム(フードチェーン)間の競争の時代になる」と予測。農協の販売事業について「無条件委託・市場活用から脱却し、自らリスクを負い、ビジネスチャンスを得るべきだ」と指摘し、消費者とのコミュニケーションやマーケティングからはじめ、市場指定や取り引き形態の見直しを図ることを勧めた。

 単価安については、「低価格競争の中で厳しさは続くが、5年先を考えれば、需要より供給の減少量が大きく、単価安の懸念は解消されるだろう」との見通しを伝えた。

  

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