飯田信金がリニア開通調査を公表

南信州経済

[ 2016年 3月 10日 木曜日 9時14分 ]

 飯田信用金庫(森山和幸理事長)は、系統中央機関の信金中央金庫、しんきん南信州地域研究所と連携し昨年4月から取り組んできた「リニア中央新幹線開通に係る調査」の報告書をまとめ、9日、公表した。飯田下伊那地域の産業経済の現況把握をはじめ、リニア新幹線の概要や各種影響調査、新幹線駅地域との比較、個人・事業所へのアンケート調査などを通じ、地域が抱える課題を抽出。その上で地域活性化に向けた提言および同金庫が取り組む具体的施策を明示した。

 報告書では、調査から見えてきた課題を「リニア開通の影響」、「人口減少」、「産業振興」、「暮らし」、「地域資源」、「地域づくりまちづくり」に分類した。

 このうち、リニア開通の影響については、「最も時間短縮効果を享受できる地域ながら、大都市が近くなる良い影響、悪い影響をイメージしきれておらず具体的取り組みに思い至っていない。良い影響がより多く及ぶよう、悪い影響は予防もしくは低減させることが必要」と指摘。「開通効果を最大化するためには、リニア県駅を通じての交流人口増を図るため、上伊那、三遠南信、リニア沿線地域との連携によりお互いが行き来する機会を増やす必要がある」と、リニア沿線信金との連携による経済交流、全国信用金庫との連携による地域資源の紹介会活動推進、工業系ビジネスマッチングの開催などに取り組むとした。

 また、人口減少では「大学卒業後の20代中頃から30代中頃にかけての人が地域に戻ってこない傾向が見られる」とし、「若い人が地域に戻ってくるような魅力ある職場づくりや地域企業の魅力発信が必要」と、Uターンを促進するための返済を免除する奨学金制度創設の研究、地方自治体が立案した地方版総合戦略への協力、支援に取り組む。

 さらに、「人口問題の基礎条件となるのが産業振興」とし、航空宇宙産業クラスター、飯田メディカルバイオクラスター、デザイン系大学院大学など、新たな産業振興に参画する企業への情報提供など支援、地場産業支援に向けた業界団体との連携による研究事業に着手するという。

 森山理事長は「リニア開通を11年後に控え、三遠南信道の全線開通をほぼ同時期に迎える飯伊地域にとって、これからの10年は今までと比較にならない重みを持つ期間となる。この報告書がたたき台となり、地域の未来に向けてともに議論し、行動するきっかけになれば。今後も調査を継続し、三遠南信道の開通効果などさらに広い視点を加え、地域経済の活性化に寄与できる具体的施策を速やかに実行していきたい」と力を込めた。

  

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