飯田商工会議所(柴田忠昭会頭)は5日、国土交通省を訪れ、三遠南信自動車道の早期開通を求める要請活動を行った。前田武志大臣や菊川滋道路局長らと面談し、同道の必要性を訴えるとともに、早期開業やリニア中央新幹線整備を見据えた中央自動車道座光寺パーキングへのスマートインター設置などを求めた。
要請の柱は三遠南信自動車道の早期全線開通と座光寺スマートインターの設置の2つ。加藤学衆院議員や中島衛元衆院議員も参加し、同相らに対して要望を重ねた。
同道については、県境を越えた圏域一帯の歴史的な結びつきや技術・産業の集積状況などを伝えて「南信州と東三河、遠州西部の3地域の交流を拡大する重要な道路」などとし、「早期の全線開通は長年の悲願でもあり、地域発展のための絶対必要条件。厳しい国家財政下だが、予算の確保、拡充に尽力してほしい」と求めた。
リニア中央新幹線計画については、座光寺スマートインターの設置に加えて、JR飯田線の高速化への協力や国道153号線をはじめとするアクセス道の改良、バイパス整備なども要望。「飯田下伊那地域だけでなく、上伊那も含めて駅までのアクセスを確保しなければならない。周辺整備には国、県の協力が必要。ぜひ、国の力も使ってほしい」などと訴えた。
前田国交相は「3月11日の東日本大震災の発生以降、道路がいかにつながっているかということの重要性が再認識されている」とし、全線が開通されることに道路整備の意義があるとの考えを強調。菊川道路局長は「三遠南信自動車道は、本当はもうこの時期にできてなければいけない路線。一生懸命に進めているが、まだまだ道は半ば。これからもしっかり取り組みたい」と話した。
一行は佐藤直良技監や高速道路課長、国道防災課長らも訪問し、同様の要請をした。
柴田会頭は「リニア中央新幹線と三遠南信自動車道を連携させてこそ、道路整備の効果が発揮できる。そういう意味でも自動車道の重要性がより高くなっている。前田大臣をはじめ、国交省内でそのことについてしっかり認識されていることを実感でき、心強く感じた」と話していた。