飯田市で三遠南信サミット

南信州経済

[ 2019年 10月 31日 木曜日 16時05分 ]

 長野・南信州、静岡・遠州、愛知・東三河の産官学民の約500人が参加しての「三遠南信サミット」(三遠南信地域連携ビジョン推進会議=SENA主催)が10月30日、飯田市鼎文化センターを主会場に開かれた。地域内の首長や議員、経済団体の代表らが参加。リニア中央新幹線の開業に伴う巨大都市圏と三遠南信の関係性を展望するパネル討論会に続いて、「防災」をテーマにした連携検討会を実施。平常時と災害時の情報共有や広域的な緊急物資の運搬体制の検討を進めることなどを盛った「サミット宣言」を採択した。

 パネル討論会は「三遠南信地域とスーパー・メガリージョン構想」がテーマ。国がリニア開業後の2050年の姿として描く同構想は、リニア沿線都市が日本の経済成長をけん引し、出生人口や増加や国土の強じん化などを目指す内容となっている。

 パネリストのうち、豊橋商工会議所の神野吾郎会頭は「先を見据えた構想として、飯田の航空機産業なども期待される。ものづくり、食、伝統工芸と観光や交流を結び付けていくことが重要ではないか」と提案した。

 浜松・浜名湖ツーリズムビューローの前田忍理事は「南信州、東三河、遠州の各ブランドを三遠南信のブランドとして国内外へ発信し、誘客できるかが大事。通過点ではなく、いかに当圏域に寄ってもらえるかだ」と強調した。

 飯田市の牧野光朗市長は「リニア駅の効果を広げるための結節機能が重要」と指摘。横軸のリニアに対し、縦軸となる三遠南信道の重要性を踏まえ「日本のセンターの中のセンターを目指したい」と決意を語った。

 浜松市の鈴木康友市長は「三遠南信道の早期開通で交通や人の交流が活発になり、リニアの開業で東海道新幹線の役割も見直されよう」と展望。「現在の(東海道の)通過客を取り込んだり、新たな利用客を掘り起こしたりの必要から、新駅をつくることもあり得る」と見据えた。

   *  *

 サミットのうち、防災を主題にした連携検討会は隣接の市鼎体育館で開いた。フロアに三遠南信地域の大型地図(縦31メートル、横24メートル、縮尺5600分の1)を設置し、地理的な特徴や南海トラフ地震による被害想定、ライフライン施設の現状などを共有した。

 プロジェクションマッピングによる光や色などを駆使し、活断層や緩い地盤の箇所、液状化や津波の被害が想定される地域などを地図上に示し、名古屋大学減災連携研究センターの福和信夫教授が解説した。

 伊那谷の活断層上に多くの市町村役場が立地し、災害時の緊急輸送路の多くが川沿いで土砂崩落の恐れがあること、災害拠点の医療機関が偏在していることなどを示し「山間部と沿岸部の助け合いを可能とするためにも、三遠南信道の全線開通が重要」と強調した。

 地形や風土の特性に応じて、懸念される災害や重視すべき防災体制なども異なることから、参加した首長らに向けて「これまで自分のまちしか見てなかったのではないか。全ての市町村を知らずにして、三遠南信を語ることはできない」と述べ、緊密な情報共有を呼び掛けた。

 続いて4グループ別の討論があり、三遠南信道の早期開通と「命をつなぐ道」としての強じん化、平常時からの顔の見える関係づくり、連携の多重化、過去の災害が分かる慰霊碑のデータ化など幅広い提案や課題が出た

◎写真説明:巨大地図で三遠南信の防災情報を共有

  

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