高森町で市田柿シンポジウム開く

南信州経済

[ 2019年 9月 24日 火曜日 15時27分 ]

 地球温暖化などの気候変動に対する市田柿栽培・加工の適応策を考えるシンポジウムが22日、高森町吉田の杉の木ホールであった。町と法政大学地域研究センターで策定した市田柿の適応計画を発表したほか、講演や公開討論で気候変動の「緩和」と「適応」について考えた。

 町は法政大との協定により3年間かけて、市田柿の気候変動への適応計画を協議。地域の農家らとともに検討を重ね、このほどまとめた。計画内容を広く発表する機会にとシンポジウムを企画した。

 基調講演で法政大の田中充教授は、気候変動の緩和と適応について語った。温室効果ガスの排出削減など気候変動を抑える取り組みが「緩和」で、気候変動による多方面への影響に対応することが「適応」だと説明した。

 気候変動の影響は、水稲や果樹の早熟による品質低下、有害獣などの生息域拡大、異常気象・災害など幅広い。「2080年には東京が種子島とほぼ同じ気温になる。衣服や植生、風景など大きく変化し暮らしや文化に影響を与える」と指摘した。

 気候変動の緩和だけでなく「回避できない影響への適応が必要だ」とし、熱中症や自然災害、農作物など「影響局面ごとに適応計画を作る必要がある」と訴えた。

 市田柿に特化した町の適応計画は、既存の生産・加工技術の共有や革新的技術の開発・導入で高温化へ対応することのほか、会社組織・農家間連携などでの経営形態改善、市田柿を生かす地域づくりなどを盛り込んだ。年2回ずつ見直しながら、地域を挙げて実行に取り組んでいく。

 公開討論で、田中教授は「個別品目での適応計画は全国初」とし、名古屋大学の杉山範子特任准教授は「地域住民が危機感を感じて正しく恐れ、何かしようと考えた点が素晴らしい」と評価した。

 壬生町長は「気候変動だけでなく、担い手の高齢化や遊休農地などの課題も取り入れ、さまざまな人の声を聞きながら作った計画。皆で一緒に取り組んでいこう」と呼び掛けた。

 市田柿生産者の中平和彦さんは、温暖化時の栽培への懸念や農家間連携への意欲などを語り、町若者特命係の木村優也さんは若者の立場で市田柿の魅力発信について語った。

◎写真説明:市田柿の気候変動適応を話し合う

  

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