JAがTPPめぐる緊急農政懇談会

南信州経済

[ 2014年 4月 22日 火曜日 9時21分 ]

 JAみなみ信州と同JA農政対策協議会は19日、飯田市鼎東鼎の営農部大会議室でTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や日豪EPA(経済連携協定)をめぐる緊急農政懇談会を開いた。生産者ら約230人が参加し、地元選出の宮下一郎衆院議員(自民党)と意見交換。厳しい経営状況を伝えるとともに、TPP交渉について重要5品目を掲げた国会決議の遵守を要請した。

 「TPPと日豪EPA交渉」「中山間地における新農政の活用」の2つをテーマに、宮下議員と意見交換する形で進行。JAの幹部や農家の代表らが、生産現場の思いを伝えた。

 日豪EPAでは、牛肉分野で現行以上の輸入量に達した場合、現行の関税率まで引き上げるセーフガードを発動する方向で大筋合意に達しているが、生産農家らは低価格肉の流入に伴う和牛の消費減を危ぐ。営農担当の小林正和常務は「安い肉が入るとどうしても高い肉の足を引っ張る。みなみ信州だけでも1億7000万円の減収が見込まれる」と指摘した。

 生産者からも「生産費が高騰する中での消費増税で農家はすでに限界。EPAやTPPは病人に劇薬を飲ませるようなもの」「農家を守る一番の策は、セーフガードではなく、TPPに入らないこと」「工業製品を売るために農業を犠牲にする姿勢が見え見えだ」など厳しい批判が相次いだ。

 TPPについてJAは、国会決議と与党決議の遵守を求め、米や牛肉、乳製品など重要5品目の除外の重要性をあらためて指摘。田内市人専務は日豪EPAの影響にも懸念を伝えて「国民の健康を守る、安心、安全な日本の農業を大切にする政策展開を」と求めた。

 宮下議員はTPPについて「トータルとして日本が発展し、農業農地を守ることを目指して交渉している。土地利用型農業に当たる重要品目を守ることは大切。決議を政策の中で反映させることを誓う」と強調。「日本の農地をこれ以上減らすわけにはいかない」と思いを語り、「生産者にきちんとした手取りを得てもらい、農業を継続または新規参入してもらえるような制度設計をする」と力説した。

 席上、宮下議員に対し▽TPPに関する国会決議や与党決議の遵守▽交渉に関する情報開示の徹底と利害関係者の意見の反映―を求める要請書を提出。矢澤輝海組合長は「日豪EPAはTPPをめぐる国会決議と整合性が取れるのか疑問。このままでは中山間地の農地は荒廃地ばかりになる。とにかく日本の農業を守ってほしい」と求めていた。

  

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