産地の飯田下伊那地域でモモの出荷が始まり、JAみなみ信州は8日、松川町大島のまつかわインター選果場で早生(わせ)種の選果を本格化させた。春先の低温で生育は遅れていたが、梅雨期に入って挽回。例年並みになり、玉伸びは順調という。
8日は飯田市、高森町、豊丘、喬木村の農家が日川白鳳(ひかわはくほう)やたまき、赤宝(せきほう)約1・5トンを運び込み、6人の作業員が選果した。目視で外観を判断し、選果機のトレーに載せた。
JA営農部によると、今年は4、5月の低温や降ひょうにより不受精や打撲の被害が広がり、モモ部門の収量は2割減の約700トンを見込んでいる。
生育は順調で、梅雨入り後の多雨で果実の肥大が進んでいる。
早生種は主に愛知県や岐阜県に発送する。主力の中生種あかつきや白鳳も例年並みの生育で、22日の出荷開始を予定している。
販売課の宮下智和係長(40)は「生産者とJAが連携して販売に注力し、産地の魅力を発信しながら売場の確保に努めたい」と決意を語った。
モモは九州にも出荷するほか、近年は自治体のふるさと納税の返礼品としても需要が高まっている。
JAの果物の出荷リレーはモモが第一走者。ナシは豊水、リンゴはサンつがるからで、今季は盆前に出荷を開始できる見通し。年末のサンふじまでバトンをつなぐ。
◎写真説明:モモの出荷がスタート