JAみなみ信州のいいだ果実選果場=飯田市上郷=で赤ナシ「幸水」の出荷が本格化している。4月の凍霜害の影響で、前年比1割減の900トンの出荷を見込む。関東、中京、関西方面に送り、来週中にもピークを迎える。
幸水は早生種のなかでは甘みがあり、シャキシャキした触感が人気という。
同選果場では12日に選果をはじめ、18日から本格化。19日からはリンゴのサンつがるの出荷もはじまり、連日、160人体制で作業に当たっている。
4月に発生した凍霜害は、当時着花していたナシに深刻な被害を及ぼしており、同選果場では幸水でおよそ1割、主力の南水でおよそ3割の収量減を見込んでいる。
選果場近くの果樹園で20年以上にわたって幸水を栽培している木下守夫さんは「凍霜害で、商品にならない実がたくさん出てしまい、昨年より1―2割ほど収穫が少ない」と話した。
生育は8月に入ってからの高温少雨で玉伸びが進んでいないものの、日光を十分に浴びているため糖度は上昇。寺沢雅治場長は「良い味の果実ができた」、木下さんは「味は良いので高値で売れることを期待している」とそれぞれ話し、「おいしい幸水を大勢の方に食べていただきたい」と口をそろえていた。
飯伊のナシの出荷は、今月下旬から二十世紀、9月上旬に豊水へとリレーされ、同中旬からブランド化が進んでいる南水に続く。