豊丘村河野の旧みさと選果場に昨冬、JAみなみ信州が整備した総合集荷販売センターで野菜の取り扱いがスタートしている。管内の集荷、販売を一元的に行う。野菜はキュウリやアスパラガスから取り扱いを開始し、品目を超えた総合販売機能の強化や、付加価値販売機能の充実、安心安全機能の確保などを目指す。
センターは同JAが昨年11月に整備。野菜保冷庫、花き予冷庫、検品ライン、ラベル発行機、封函機などを備えた。
出荷期を迎えて取り扱いを開始した野菜も、飯田や高森などの選果場で分散して取り扱っていた品目を一元管理。施設化の推進に伴う生産量の増加に対応するとともに、品質規格の一本化を図る。
10日はアスパラガスや葉物野菜を集出荷。生産者が運び込んだ野菜を検査室で検品し、ラインに流して梱包した。
松下裕司所長によると、一元化による効果は作業の効率性向上に加え、一台のトラックで複数の品目を出荷できるようになるなど輸送コストの面でもメリットが出始めているという。
組合員からは、コスト減の効果に期待する声が聞かれる。
凍霜害や台風など深刻な被害に見舞われながらも、前年度を15・2%上回る22億6400万円の販売金額を確保した同JAの野菜部会は、3日に開いた総代会で「センターと連携した生産振興」を掲げた。
アスパラ部会の原嘉博部会長は「一元化の効果が農家の手取り所得向上につながるよう、部会としても取り組んでいきたい」と話した。
総合集荷販売センターでは野菜の他、これまで複数の施設で分散して行っていた市田柿や花きなどの集荷、販売も一元的に取り扱っている。