JR東海がリニア工事実施計画の認可申請

南信州経済

[ 2014年 8月 28日 木曜日 9時20分 ]

リニア JR東海は26日、東京―名古屋間で2027年の開業を目指すリニア中央新幹線の工事実施計画の認可を国土交通省に申請した。飯田市上郷飯沼に設置する長野県駅(仮称)など6駅の位置や、当初の計画より935億円増えて5兆5235億円となる工事費の見通しを示した。国交相意見を踏まえて修正した環境影響評価書の最終版も提出。国の認可後、早ければ10月にも着工し、沿線での工事計画の説明や用地取得に向けた詳しい測量を開始する。

 

 工事実施計画には、ターミナル駅を併設する品川、名古屋の既存駅と、新設する神奈川、山梨、長野、岐阜の駅位置を明記。延長は285・6キロで、うちトンネルが86%の246・6キロを占める。

 

 予算書によると、工事費の内訳は用地費3420億円、トンネル費1兆6219億円、停車場費5206億円などで、935億円増の主な理由として、車内への燃料持込みや排ガスを防ぐために電磁誘導の作用を利用して路線部のコイルから車内に電気を集める誘導集電の技術導入を挙げた。

 

 トンネルと橋梁の概要も示した。飯田下伊那関係では、南アルプス隋道が25キロ19メートル、伊那山地隋道が15キロ300メートル、風越山隧道が5キロ638メートル、中央アルプス隋道が23キロ288メートル。橋梁の長さは小渋川橋梁が171メートル、阿島架道橋が112メートル、天竜川から駅部にかけては天竜川橋梁522メートル、南大島川橋梁189メートル、欠野沢川橋梁152メートル、土曽川橋梁121メートルとした。

 

 建設工事の工程表も示した。用地取得、路盤整備、電気(送電線)工事を本年度から、軌道工事を来年度から始め、19年度までに用地取得、25年度までに路盤工事を終えて、残りを2027年度まで続ける。

 

 長野市内で会見した澤田尚夫中央新幹線建設部担当部長は「認可後は一定の周知期間を設け、すぐに事業説明会に入りたい」と説明。駅周辺の明かり区間は用地測量を、トンネル部は非常口の用地取得を進める考えを示し、工期が長期に及ぶ南アルプスのトンネルは「なるべく早く着手したい」と話した。

 

 申請に先立ち、同社は国交相の意見を踏まえて修正した環境影響評価書の最終版を同省や関係都府県知事、市町村長に提出した。

 

 長野県版は、新たに▽発生土活用先の候補地情報▽大鹿村内の地形・地質調査結果の詳細▽大鹿村釜沢地区のミゾゴイ・ブッポウソウなどの調査結果▽猛禽類に対する環境保全措置―などを追記した。

 

 大鹿村内の地形地質は小渋川橋梁付近の平面図に、「崩れやすい」と判断した不安定地形の範囲を記載。猛禽類は、環境相意見を踏まえて計画地内に営巣するオオタカなどの保全措置の具体例を記載した。

 

 知事意見が求めた非常口(坑口)の削減や、小渋川橋梁の地中化など計画の変更には踏み込まなかった。

 

 澤田部長は、県が示した発生土の活用先情報について「非常口に近く、地形的にたくさん入る所が良いと考え、優先順位を付ける作業をしている」と説明。大鹿村内から搬出する県道松川インター大鹿線の改良は、中川村内で実施しているボーリング調査や測量の結果を踏まえ、県と費用の分担や事業方式を話し合う考えを示した。

 

 評価書の最終版は29日に公告し、市町村の窓口など飯伊では11会場で1カ月間縦覧するほか、同社のホームページ上でも公開する。

  

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