リニア「直ちに整備計画決定を」茅野で建設促進大会

リニア中央新幹線

[ 2009年 10月 17日 土曜日 13時30分 ]

 想定ルート沿線にある9都府県の経済団体でつくる「リニア中央新幹線建設促進経済団体連合会」は15日、茅野市で20回目の早期建設促進大会を開き、整備計画の決定を急ぐなど早期実現に向けた4項目の決議を採択した。各県から約1800人が参加。県内の関係者が諏訪迂回の伊那谷ルート(B案)による実現を訴えたが、JR東海の金子慎常務取締役は「財源の確保は不可欠。用地買収の困難さという要素も重要だ」とし、今後の経路選定に理解を求める姿勢を示した。
 
 20回を数える「東京・大阪間沿線経済団体 リニア中央新幹線早期建設促進大会」。ことしは第6回の飯田市、第13回の伊那市に続く3度目の県内開催。飯伊からは飯田商工会議所や飯田市議会、市、下伊那郡町村会、県商工会連合会下伊那支部広域協議会から160人が出席した。
 
 諏訪地域での開催となったため、県内関係者のあいさつは、諏訪迂回の伊那谷ルートによる実現を訴える内容だった。
 
 主催者代表のリニア建設促進長野県経済団体協議会の加藤久雄会長は「長野県は1989年に伊那谷ルートで意見を取りまとめ、20年間にわたり運動を進めてきた。沿線地域の意向に最大限沿った形で推進されることを強く望む」。村井仁知事は「大都市間を結ぶだけではなく、地域振興の観点から十分な議論を頂戴し、沿線にとって実りのあるものになる必要がある」と訴えた。
 
 一方、来賓として出席したJR東海の金子常務は「民間企業が進めるプロジェクトとして財源の確保は不可欠で、必要となる用地買収の困難さという要素も重要。毎年ごとの維持運営費が多いか少ないかもしっかり考慮しなければいけない」と指摘。先に示した東京―大阪間の試算を基に、沿線各県と意見交換を進めるとし、「理解を深めていただき、この計画を前進させたい」と語った。
 
 席上、採択した大会決議は▽4項目調査の速やかな完了と全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画の早期決定▽営業運転を見据えた仕様・技術基準の策定▽大深度地下の適正かつ合理的利用の推進▽首都圏―中京圏と同様の手法による近畿圏までの整備決定―を求める4項目。参加者らは「実現に向けて関係機関との連携及び情報交換などの活動を一層強化する」と誓い合った。
 
   *   *
 
 茅野市で開かれたリニア早期建設促進大会。席上、経済団体や県、JR東海などの関係者らあいさつした8人の言葉が、南アルプスルートによる実現を目指すJR東海と、伊那谷ルートを願う県との間にある考え方の違いを浮き彫りにした。
 
 主催者代表の加藤・県リニア経済団体協議会長は、20年にわたる伊那谷ルート推進の取り組みを取り上げて「沿線地域の意向に最大限沿った形で推進されることを強く望む」と強調。地元選出の矢崎公二衆院議員は「沿線で暮らし、働いている人々の思いをきちんと受け止めてほしい」と、諏訪地域の願いを代弁した。
 
 全国から沿線関係者を迎える大会で、一県や一地域の主張を繰り広げるのはルール違反。大会決議には「伊那谷ルート」の1文字も入っておらず、他県の関係者から冷ややかな視線が向けられる場面もあった。
 
 こうした姿勢を飯田商工会議所の宮島八束会頭は批判。「全国の沿線が集まる大会で、個人的な伊那谷ルート推進を訴えることには疑問を感じる」と語った。
 
 一方、来賓として出席したJR東海の金子常務は「民間が進めるプロジェクトとして財源の確保は不可欠で必要となる用地買収の困難さという要素も重要。毎年毎年の維持運営費が多いか少ないかもしっかり考慮しなければいけない」との表現で、暗に南アルートの優位性を強調した。
 
 同社が踏まえて手続きを進めている全国新幹線鉄道整備法についても事前に国への照会を求めていたことに言及し、「我々の最大の心配事は、民間企業として健全経営とそれを確保するための経営の自由、投資の自主性を確保できるかだったが、心配がないということを確認したうえで手続きに望んでいる」と説明し、経路選定について自社の考えを優先できるとの見方を暗示した。
 
 また、中間駅の設置については「最大の特徴である高速走行を活かすことと、全幹法にある地域への振興という観点、また公平の観点を踏まえ1県1駅が適切であるという私たちの考えに理解をいただきたい」と求めた。
 
 終了後、会見に応じた村井知事は「地域振興と高速性を損なわないという2つの関係のなかでどう調整するか。行く先はまだわからない。互いの思いの間に溝があり、まだ時間がかかるのでは。JR東海にはそれぞれの地域の思いを理解していただき、我々もJRのさまざまな計算や技術的な要因に理解を深めなければいけないと思っている」と話した。

  

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