飯田東中学校の生徒たちが15日、管理をしている飯田市のりんご並木で今年最後の収穫作業を行った。祝う会も開き、住民や行政関係者なども参加。汗の結晶として真っ赤に染まった実を大切そうにもぎとり、1年間の作業を振り返った。
並木に植わるリンゴの品種ごとに順次収穫していて、この日が最後の合同作業。たわわに実った晩生種のふじと国光に手を伸ばし、次々とコンテナに集めた。
当初は台風による被害や肥大遅れで収量減を予想していたが、例年並みを確保。今年も東日本大震災以降交流を続けている岩手県陸前高田市の高田東中学校をはじめ、福島県南相馬市や近隣の企業などに贈る。
今年は12種26本のうち、2本で病気が確認されたため、お別れ会を開いて伐採。今後、品種などを話し合い、新しい苗木を植えることにしている。
並木は1947(昭和22)年の飯田大火からの再生を願い、東中生らが植栽。復興の象徴からまちのシンボルへと役割を変えた現在も、中学生や近隣住民らが守っている。
3年で並木委員長の矢野茜里さん(15)は「市のシンボルを管理することの重みをあらためて感じた。収穫の喜びとともに、多くの方に支えられていることを実感した」と話していた。