セカンドスクール財政支援を国に要望

学校・教育

[ 2010年 4月 27日 火曜日 8時57分 ]

 一昨年4月から総務・農林水産・文部科学の3省連携によりスタートした「子ども農産漁村交流プロジェクト」(愛称・ふるさと子ども夢学校)が昨年8月の政権交代に伴う事業仕分けで今年度予算が大幅に削減され、風前の灯火になりかねない状況になっている。都会の子どものみならず地元の子どもの参加も増えており、その教育的効果の高さから事業の意義や必要性は十分に認められている。農家にとっても子どもたちとふれあうことで元気と活力を与えられ、双方にとって非常に有益な事業が政治に翻弄されている。

 同プロジェクトは、全国の小学生が農山漁村で1週間程度の自然体験・集団宿泊体験活動を行うセカンドスクール事業。当初、国は「5年間で小学5年生120万人」を目標に、全国50カ所を受入モデル地域に指定。体験教育旅行の先進地である南信州地域も選ばれた。

 同地域は一昨年3月、セカンドスクール事業の受入を推進するための態勢づくりを研究する「南信州セカンドスクール研究会」を設立。全国のモデル地域にふさわしい受入を地域一丸となって推進してきた。そうした取り組みにより2年目の昨年度は神奈川4校、千葉3校、山梨1校、地元4校の計12校から436人を受け入れ、初年度の8校370人を上回った。特に地元は初年度の1校から大幅に増えた。

 子どもたちを送り出した学校関係者や保護者からは「自分のことは自分でやるようになった」「集団行動や協力ができるようになった」「食べ物の大切さを知り農家へ感謝の気持ちが高まった」など教育的効果の高さを示す様々な感想が寄せられている。将来を担う子どもたちに夢を与える国の一大事業として事業の意義や必要性は十分認められている。

 ところが、昨年の政権交代に伴う事業仕分けで食費に補助金が出ず、食費以外の補助金も継続校は半額、新規校は3分の2に減額された。その結果、昨年度までは6000円―8000円で済んだ父兄負担が、今年度は3万5000円―4万円と大幅に増えた。このため、宿泊数を減らしたり、目的地を近いところにするなど少なからぬ影響が出ている

 こうした状況のなかで、南信州セカンドスクール研究会は2月に開いた総会で、国の補助金を大幅に削減した民主党政権に同事業の意義や必要性を理解してもらうとともに、同事業をさらに推進し、普及に向けた活動組織とするため、研究会の名称を改め「南信州セカンドスクール協会」とすることを決定。24日には、同協会の伊澤宏爾会長(飯田市教育長)と羽場睦美副会長(野外教育研究財団理事長)が地元選出の加藤学衆議院議員を飯田市高羽町の事務所に訪ね、要望書を提出した。

 伊澤会長は「全国の受入地域は懸命に態勢整備に取り組んできたが、肝心の送り手側の小学校では特に財政面が厳しく、当事業に取り組みたくても取り組めない状況」と強調。「教育的、地域活性化の観点からも、すべての小学校がこの事業に取り組み、その中でさらに必要性を認識し自発的な事業となるまでは、財政支援も含めて国が主導してもらいたい」と強く要望した。

 これに対し、加藤議員は「一括交付金の議論を始めたところで、来年度予算編成に間に合うかどうか。省庁をまたいだ一括交付金には抵抗もある。厳しい財政の中で優先順位が高くないと判定され削減されたが、事業の理念は民主党の考え方と一致している。どういった形で支援していくか考えていかねばならない。方策をぜひ一緒に考えていただきたい」と答えた。

  

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