下條村立下條中学校の3年生が議員になる模擬議会が14日、同村議場で開かれた。生徒ら約40人は5月から同議会に向けて念入りに調べてきた村の課題をもとに、福祉・環境や観光など各分野ごとの対応策を、伊藤喜平村長ら村幹部に提言した。
将来を担う子どもたちに村政へ関心を持ってもらおうと続く恒例行事。一般質問だけでなく議長など議会の進行も生徒が担当し、実際に生徒の提言が村政に反映される場にもなっている。
生徒たちは9班に分かれ「施設」「環境・福祉」「暮らし」「観光・PR」の4つのテーマごとに調査を進め、議案を準備してきた。
「村内に老若男女が心も体も解放されるような気軽に集まることができる場所がない」と指摘し、観光客も訪れることができる「村カフェ」の建設を提案。別の班は環境・福祉に関わる提案で「近所の高齢者を知らない、話す機会がない」という中学生の現状を背景に「高齢者を助けたい」という思いがあることを発見し、高齢者も話し相手がいない悩みを抱えていることから、中学生と高齢者の関わる機会を増やす「あいの日」の制定を提案した。
このほかにも、空き家の活用と宅地開発についてや、ホームページの充実化などの提案があった。
24日に任期満了を迎え、最後の「議会」となった伊藤喜平村長は中学生が考えた発表に注意深く耳を傾け、リニア中央新幹線や三遠南信道の開通で大きく変わろうとしている時代を見据え「皆さんの時代は、そこまで来ている」と将来の活躍に期待を寄せた。
村は模擬議会の提言を受け、コスモスの湯の利用者増加に向けたユズ風呂、リンゴ風呂の実現をはじめ、中学生と高齢者の交流機会の増加について検討を進めていくという。