下伊那農業高校アグリ研究班は29日、「信州ジビエ 高校生アグリレストラン」を飯田市錦町のシルクホテルで開いた。野生鳥獣の肉を使う「ジビエ料理」をテーマにした5年目の取り組みで、今年は中華料理に初挑戦。シカ肉のロースとモモ肉を使ったランチを提供し、「とってもおいしい」の声には笑顔で応えていた。
料理はシカ肉のカルパッチョ、ロース肉を使って酢豚風にアレンジした「酢鹿」、モモ肉を使う春巻き、中華卵スープ、下農で加工されたイチゴジャムが特徴の杏仁ムース―の5品。3~4カ月前から準備し、試行錯誤を重ねた。
この日はオープンに向けて調理したり、接客対応するなど研究班1~3年生の12人が協力。提供した料理はどれも好評で、班長で3年の木下優樹さん(18)は「3年生にとっては最後のイベントなので力が入った。苦労もあったけど、喜んでもらえてうれしい」と話していた。
40人分を用意し、シカ肉は10キロ以上使う。下処理を施したことで、高森町山吹の女性(39)は「シカ肉に臭みがなく、とってもやわらかい」とうなづいていた。
生徒には「シカ肉が苦手な人にも食べてほしい」といった思いもあり、家庭で調理できるようレシピも渡した。