飯田市鼎名古熊の下伊那農業高校で13日、伝統の「おせち検定」が開かれ、アグリサービス科食農科学コースの2年生22人が臨んだ。学校と自宅で調理した7品を重箱に詰め、美観や調理技術を競った。
卵焼き、巻きずしなどを題材に入学時から受けてきた料理検定の締めくくりとなる検定で、53年前から開いている。
事前学習で培った技術を生かし、自宅でだて巻きや筑前煮など5品を調理し、学校では田作りや飾りかまぼこ、たたきゴボウなど各々2品を調理し、見栄えよく詰めた。
調理室では、練習を重ねてきたかまぼこの飾り切りに挑戦する生徒が多かった。
慎重に包丁を入れて花などを模した形にし、時間配分を考えながらきれいに仕上げた。
生徒の一人(17)は、先輩たちの作品写真をヒントに、幾何学的な模様にした。「本当に苦労した。将来作るにしても、5年に1度ぐらいにしたい」と笑った。
審査は美観、分量、事前提出の絵コンテとの整合性などに加え、「ふたがしっかり閉じること」も考慮して教員たちが行った。
棚田美穂教諭は「市販品が増え、おせち料理をつくる家庭が減っている中、高校生の段階で取り組むことは大切。いつか家庭を持った時、挑戦するためのきっかけになれば」と話していた。