下伊那農業高校(飯田市鼎名古熊)の果樹班が試みたナシ「南水」とブドウ「シャインマスカット」の氷温試験がこのほど、氷温協会(鳥取県米子市、山根昭彦理事長)に認められ、両品種が氷温食品に認証された。高校による認証取得は全国2例目。0度の貯蔵で鮮度や糖度が維持されることを実証した。
収穫期から時期をずらした果物の有利販売を探る研究の一環で、10月に南水、今月10日にシャインマスカットが認証された。
同班はこれまで、微細な穴がある特殊資材による果実の包装で、袋内の低酸素・高二酸化炭素状態をつくり出し、酸化を防いで長期にわたる鮮度の維持を実現させてきた。
過去の試験ではシャインマスカットに灰色カビ病が発生。原因に高湿度や貯蔵温度があるとみて、この秋に0度で保管する氷温貯蔵を試していた。
校内の氷温倉庫に収めて経過を観察。南水で糖度や果実重の維持、シャインマスカットでカビの発生も含めた不良果粒の減少などの効果を確認した。
申請を受けた協会が測定で効果を確認し、認証した。
班長で園芸クリエイト科1年の中塚空美さん(15)は「認証で効果が実証されて良かった。他の品種や果物でも試してみたい」と話していた。
同班は新たに、ブドウ「ウインク」と日本ナシの晩生品種群で同様の認証申請をしている。