下伊那農業高校の食品化学科の2年生38人が20日、社会人講師を招いて肉加工の講義と実習に取り組んだ。
講師を務めたのは、長野県農協直販品質保証室(飯田市松尾新井)の男性2人。「もう20年ぐらい前から毎年来ている。生徒たちが真剣に聞いてくれる。肉のことを少しでも理解してもらえればうれしい」と話した。
講義では、ロースハムの製造工程について、良い素材を選び、小骨や筋などを包丁で取り除き形を整えていく。整形したロース肉を塩せき液に漬け込み、低温(2~3度)で熟成した後、充てん、スモーク・加熱し、包装、検査、出荷する―と全工程の説明を受けた。
実習では、南信州産の豚のバラ肉計27キロを使い、6班に分かれてベーコン作りに取り組んだ。整形した肉の重量を測った後、食塩や香辛料、発色材、砂糖などを混ぜた「塩せき」を肉に万遍なく塗布。ビニール袋にくるんでバットに入れ、1週間ぐらい熟成した後、加熱する。
担当の教諭は「生徒たちが授業で習うのは7回目だが、実習は初めて」と語り、将来調理師を目指す男子生徒(17)は「ハムの作られる工程を最初から実際に見るのは初めて。どうやって香辛料を効かせるか勉強になった。おいしいハムを作りたい」と話していた。