下伊那農業高校アグリサービス科3年の食農科学コースの生徒(24人)が27日、家庭科の「地域文化」の授業で飯伊調理師会の講師6人から魚の調理技術を学んだ。業者から1人2尾ずつ提供されたアジを使って魚のおろし方や串の打ち方などの指導を受けた。
講師を務めたのは、いずれも同調理師会の技能指導部に所属する県の指導員6人。
指導員は「ただ魚をおろすばかりでなく、焼く時に魚が泳いでいるように皿に盛る技術を教えてもらえる機会はめったにない」と意義を指摘。「骨抜きの魚が出回っているが、骨にはカルシウムという重要な栄養分が含まれているので、骨を抜いてしまうと骨が弱くなり折れたりする。皆さんの力で骨の付いた魚料理を広めて」と期待を寄せた。
生徒たちは6つの班に分かれ、アジをさばいて串の打ち方を教わった後、香草パン粉焼きと刺身にして昼食で味わった。業者から提供されたアルプスサーモンもサラダにのせて食べた。調理師を目指す男子生徒(17)は「魚の内臓を取り出すのは初めて。実際にやってみると簡単で怖がることはない」、女子生徒の一人は「体験したことがなかったので難しかった。魚のさばき方を覚えて将来1つでも多くやってみたい」と意欲的だった。
家庭科担当の教諭は「魚料理を学ぶ機会はなかなかないので、貴重な体験ができてありがたい。魚の扱い方を学んで地域に魚料理を広めたい」と話していた。