飯田市立の丸山小学校(北澤正光校長)と飯田西中学校(藤松冬樹校長)は17日、合同のキャリア教育実践発表会を丸山小で開いた。全校生徒278人と6年生児童127人が参加し、職場体験や農林業体験の成果を発表。縦割りの20班に分かれての発表や質疑応答もあり、児童生徒らが互いの経験に学び、職業や将来への意識を高めた。
両校は本年度、文部科学省のキャリア教育研究校の指定を受けている。県と同市の教育委員会は小中学校の体系的・一貫的な進路指導(キャリア教育)を調査研究するための協力校に指定し、連携教育の可能性を模索。飯田西中で毎年実施している実践発表会を初めて合同で開催した。
全体会で丸山小の6年生たちは、夏休みに主に保護者の勤務先で行った職場体験の成果を発表。薬剤師の仕事に触れた男児は「薬を間違わないよう2人で確認していた。慎重さを大切にしたい」、父親の仕事ぶりを間近で見た別の男児は「お酒を飲んできても『仕事を頑張ってるから、いいか』と思えるようになった」など、体験に基づく具体的な感想を披露した。
働く上で大切なこととして、児童たちからは▽あいさつをする▽責任を持つ▽相手のことを考える―などが挙がり、それらを学校行事の「子ども祭り」で生かしたことも報告。「働くお父さんやお母さんを誇りに思い、中学校生活や将来に向かって頑張りたい」と胸を張った。
飯田西中1年は農業体験、2年は5日間にわたる職場体験の概要を説明。3年は地元の「羽場曙友会」の協力を受けて行った風越山の間伐体験を踏まえ「働くことで人の役に立つ喜びを感じた。人のために役立つこと、地域に貢献することも働く意義となる」と呼び掛けた。
続いて20の教室に分かれ、中学生たちが職種別の学習成果を伝えた。中学校生活全般への質問も小学生たちから受け付け「勉強は難しいか」「学校生活で印象に残っていることは」「部活動で楽しいことは」などの問いに先輩たちが答えていた。
まとめの会で丸山小児童会長は「中学生から、いろいろ学ぶことができた。農業、職業、林業体験のどれも楽しみ」と感想を伝え「残りの小学校生活をしっかりと過ごし、中学校でもしっかりと学びたい」と意気込みを新たにしていた。
飯田西中副会長は「小学生にとって、今回の体験が中学校生活の充実にきっと役立つはず。私たちも学んだことを今後や進路選択に生かしたい」と話し、学びの機会を提供してくれた人たちに感謝していた。