飯田市龍江の竜東中学校は9日、「竜東キャリアフェス」を同校で開いた。1年生と2年生の38人が参加。地元で働く6業種8人を招き、「働く」ことの楽しさや魅力、やりがいについて話を聞き、これからの生き方を考えた。
今年は新型コロナウイルスの影響で2年生の職業体験が中止となり、代わりとして初めて開催。ふれあい農園おおた(同市千栄)、岡本養豚(同市千代)、飯田市立病院、千代・龍江警察官駐在所、マルヒ(精密機器メーカー、同市桐林)、上久堅保育園、飯田市子育て支援課が参加。生徒は6つのブースを回り、仕事の内容を聞き、質問をして理解を深めた。
このうち、マルヒは同校出身の後藤大治社長が会社の沿革や開発製品を説明。モーターを主に製造していたが、リーマンショックで岐路に立たされ、会社を下請けから開発型企業に変えた。「何もないところから技術を磨いて商品を生み出していった」とし、「想像したものを形にしていくのが、ものづくりのモチベーション。チャレンジの精神で人生に取り組んでほしい」と呼び掛けた。
ふれあい農園おおたの太田いく子さんは農家民泊での生徒との体験談を話し、牛舎で鼻をつまんでいた生徒が、牛のお産に立ち会ったことで帰る時の表情が変わっていたエピソードを紹介。「一生懸命やれば、やっただけ結果が出る」と農業の魅力を語った。
2年の女子生徒(14)は「話を聞いて、人と関わり、協力して物事を進めていくために、コミュニケーションが大切なんだと感じた。将来は自分の特技を生かした職業に就きたい」と話した。
野竹国雄教頭は「皆さんが苦しいことも経験し、やりがいを見つけている。今経験していることが将来につながるので一生懸命取り組んでほしい」と呼び掛けた。
◎写真説明:ブースで説明を聞く生徒