飯田市南信濃公民館はことしも、地元小学生を対象にした夏休み子ども講座を開講した。自然や工作などをテーマに3教室を開講。児童ら多数が参加し、遠山郷の大自然を舞台に野外学習をしたり、実験などを通じて科学することの楽しさを満喫した。
「遠山郷の魅力を知り、古里に対する愛情と誇りを育んでほしい」と、公民館が毎年開いている。ことしは昆虫採取と木工、科学実験の3講座を開設した。
科学実験の教室は南信州飯田おもしろ科学工房の三浦宏子さんを講師に迎えて開いた。
液体窒素を用いた冷却実験では、花やバナナが瞬時に凍りつき、子どもたちはびっくり。リニア中央新幹線の走行原理ともなっている超電導リニアの実験では、銀紙にくるんだドライアイスが装置上を浮上して回転し、喜ばせた。
浮力と重量の差で周りから圧力を加えることで空気を入れた水中の物体が浮いたり沈んだりする浮沈子をつくる体験も行い、科学することの喜びに触れた。
和田小6年の女子児童は「模型だったけど、超電導の実験により、リニア新幹線が走る原理がわかり、興味深かった」と話していた。
「昆虫」をテーマにした講座では、セミ博士として知られる飯田市美術博物館の山田拓専門研究員が、木工教室では、飯伊森林組合南信濃支所の職員らが野外学習や工作を指導した。
同館は「来年も楽しい講座を開き、夏休みの思い出にしてもらえれば」としている。