売木村の松村増登村長は22日、売木小中学校PTA総会の席上、複式学級化が懸念される売木中学校について、2013年度を目途に阿南町へ教育事務委託をし、阿南町立阿南第二中学校へ統合する考えを示した。
同村は中学校の生徒数減少のため、来年度以降中学校の複式学級化が懸念されている。村は06年から学校運営研究委員会(松村束男委員長)に諮問して保護者やPTAを交えて協議を重ね、昨年3月に▽小学校は地域の学校として存続▽12年を目途に阿南第二中学校への統合を検討、阿南町へ働きかける―との答申を受けた。答申では「中学校の複式学級は教員3人減員されるので絶対に避けるべき」としている。
PTA総会で中山英二会長は、昨年度阿南二中の野球部と同一チームで中体連に出場できたことを喜び、前年度の会長に感謝。また、学校運営研究委員会の答申が出てから1年余り進展のない村の対応を批判。「来年度の複式学級は回避できるのか。これからの子どもたちに教育条件の低下がないよう、切にお願いしたい」と訴えた。
松村村長は村長の方針として▽小学校の村単独運営は継続▽中学校は13年度を目途に阿南町へ教育事務を委託し阿南二中へ統合▽山村留学事業は継続―の3つを示した。今後PTAの意向調査を行い、6月議会で議会の了承を得た後、阿南町へ中学校の教育事務委託を申し入れる方針だ。
来年度の中学校生徒数は山村留学を考慮しなければ複式学級の人数になってしまうが、村と村教育委員会は「来年度は県とも相談し、教員の加配措置を行って複式学級を回避させる」としている。同村中心部から阿南二中への距離は約4キロ、村西部の岩倉地区からは約8キロ。統合した場合はスクールバスを運行する予定だ。