飯田市上郷別府の上郷考古博物館は16日、古代の技術を使ってもの作りに挑戦する、夏休み考古博工房「古代のわざにチャレンジ!!」を行った。家族連れら約50人が訪れ、勾玉や石器、土器の拓本作りなどを楽しんだ。
子どもたちに古代の歴史を楽しく学んでもらおうと、毎年夏休みの時期に開催している体験教室。古代の技術を使ってものづくりに挑戦する6講座を開いた。
滑石を紙やすりでみがいて作る「勾玉づくり」、本物の土器片を使って墨で拓本をとる「土器の拓本づくり」、粘土でさまざまな形を作って縄文模様を付ける「縄文もようの小物づくり」など。
青森県の三内丸山遺跡から出土した籠状のふくろに見られる「網代(あじろ)編(あ)み」を体験する「編んだり織ったりマットつくり」では、子どもたちが職員に編み方を教わりながら、クラフトテープとひもを使ってマット作り。飯田下伊那地域で出土する「有肩扇状形石器」を再現しようと、天竜川で採れた石を使ってたたいて加工し、石器作りを体験する講座もあった。
家族と何度も参加しているという伊賀良小学校6年の男子児童は、ことしは石器作りに挑戦。「石が硬くて形を整えるのが大変だったけど、上手に草を切れたのでうまくいった」と、満足げ。講座の後は館内の展示資料を見学して楽しんでいた。