女子短大で丸山さんがハンセン病体験語る

学校・教育

[ 2009年 10月 22日 木曜日 14時01分 ]

 飯田市松尾代田の飯田女子短期大学で20日、ハンセン病療養所入所者と学生との懇談会が開かれた。同市上郷出身の丸山多嘉男さん(82)がハンセン病として強制隔離された体験を語り、家政学科や幼児教育学科の1、2年生約180人が静かに耳を傾けた。

 ハンセン病は「らい菌」による感染症で感染力は極めて弱い。しかし、1996年に「らい予防法」が廃止されるまで誤ったイメージによる隔離政策が行われた。県はハンセン病問題への理解を深めてもらおうと、2006年度から懇談会を開き、同短大では初めて企画した。

 丸山さんは同市上郷生まれ。22歳の時に検診でハンセン病と言われ、群馬県草津町の国立療養所「栗生(くりゅう)楽泉園」へ強制隔離された。当時県は「無らい県」を目指しており、県内で丸山さんを含む8人を隔離した。

 「俺たちはごみじゃないんだ、人間なんだ。簡単に捨てられてたまるか、という思いから講演することに決めた」という丸山さん。当時自分がハンセン病とは知らなかったといい、「正門の門柱を見てがく然とした。『国立癩(らい)療養所』とあり、初めてらい患者であると気付いた」と明かした。

 療養所へ向かう車や電車で差別的な扱いを受け、療養所でも傷痍軍人によるいじめを受けた。1952年に結婚したが、結婚式は紅白まんじゅう1組とたくあんという質素なものだった。

 62年、「もうこれ以上かみさんに辛い思いをさせたくない」と療養所を抜け出して草津町で就職。不自由な右手をかばいながら土建業者やホテルなどで働き、念願の洗濯機とテレビを購入。51歳で栗生楽泉園へ戻った。

 丸山さんは「自分の命が続く限り、つたない話ではあるが、ハンセン病について一生懸命訴えたい。らい患者の話を聞いたとしても『もし俺がなったら』というような、さもしい気持ちは持たないでほしいと思う」と強く訴えた。

 また、質疑応答で幼児教育学科幼児教育コース1年の矢沢里英さんに「これからの世代にどういう考えを持ってほしいですか」と尋ねられ、「ハンセン病になったらどうしよう、なんて考えたら絶対だめ。惑わされないように自分の道を生きていくことが大事。いいお嫁さんになってください」と回答。講演後には冗談を交えて生徒たちと談笑した。

 栗生楽泉園には9月末現在、2624人が生活している。このうち長野県出身者は28人。年々高齢化し、平均年齢は82・5歳という。

  

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