飯田市と全国の教育機関などが連携する「学輪IIDA」が主催する「遠山郷エコ・ジオパークフィールドスタディ」は14日から3日間、同市上村、南信濃地区一帯で開いた。
地元の高校生と県内外の大学生らが合同で企画。「自然と人の営みの関係性」などについて、実際の現場で体験や聞き取りを通して学んだ。
昨年に続き、大学生と高校生が交流しながら地域について学ぶ全国的にも珍しい試み。今回は東京農工大学、松本大学に地元複数の高校から約30人が参加した。
「観光」「生業」「くらし」「水資源」などテーマごとに4つのグループに分かれて行動。このうち観光を学ぶグループは2日目、遠山観光案内所「アンバマイ館」で遠山郷観光協会の関係者や、地元をよく知る住民からの話を聞いた。
会社員の遠山典宏さん(25)は、Uターンした自身の体験から知った地域の魅力などについて説明。「地元の良さは外の目を通して再認識することが多い」として、UIターンの人たちと一緒に活動する楽しさも強調していた。
一行は豊かな自然資源に触れようと上村川の水辺へ。高校生も大学生も打ち解けた中で、水量を満たした清流に小石を投げ込むなど恵まれた自然環境を実感していた。
この後、ゲストハウス「太陽堂」を訪れ、オーナーの水戸幸恵さんから宿泊施設としての活動や地域との関わりについて話を聞いた。和田の街を散策した後は、遠山さんが関わるシェアハウスで意見交換なども行った。
同フィールドスタディに参加した松本大学総合経営学部観光ホスピタリー学科3年の女子学生(21)は「観光資源の活用は人とのつながりが大事だといわれる。遠山郷はそれを実感できる場所だなと思った」と感想。
飯田OIDE長姫高校3年の女子生徒(17)は「卒業後は地域に根差した企業を選んで就職するつもりだが、この体験はプラスになる」と話していた。
◎写真説明:アンバマイ館で地域の話を聞く