新型コロナウイルスの感染拡大防止で休校していた飯田市の全小中学校(19小学校、9中学校)が25日、学校を再開した。子どもたちは久しぶりにクラス全員と会えたことを喜び、教室には笑顔が広がった。
伊賀良小学校では、午前7時40分頃からマスク姿の児童が一斉に登校。あいさつ運動で昇降口前に立った6年生の保護者に元気良くあいさつし、次々と教室に向かった。
同校ではこの日、午前中のみ4時間の授業を実施。給食を食べた後、午後2時10分に下校した。
教室では先生やクラスメートと笑顔で話す児童の姿が見られ、時には笑い声も響いた。体育の授業では元気にグラウンドを駆け回った。
6年の男子児童の一人(12)は「今まで会えてなかった友だちもいるので、皆に会えてうれしい」とし、「これからまた休みになっても大丈夫なように、勉強を頑張りたい」と話した。
同校は感染予防策として、全校児童にマスクの着用を求め、手洗い、咳エチケットを徹底。教室は2カ所以上窓を開けて常時換気し、座席間をできるだけ離した。給食では1メートル以上間隔を取り、対面で座らないよう椅子を配置。下校後には職員が校内を消毒して回った。
高坂徹校長は「完全ではないが本来の学校の姿、子どもの笑顔が見れてうれしい」と安堵。「まずは感染予防策の徹底で、 安心な学校生活に努めたい」とし、「休校が長かったので、安心して集団で生活できる学級作りを各クラスで進めたい。授業日数が限られるが、詰め込みにならないよう、友だちと協力して学び合う学習をしていきたい」と話した。
市教育委員会によると、市内の小中学校では29日までを再開した学校生活に慣れるまでの期間と位置づけ、短縮日課で登校する。6月1日から通常日課となる。伊賀良小では一学期の終業式を8月5日、二学期の始業式を同21日とし、夏休みは8月6~20日の15日間を予定している。
市内の小中学校は4月4日ごろに入学式を行った後、感染症拡大を受けて同10日から臨時休校に入った。その後延長が続き5月24日まで休みとなった。
伊賀良小は4月の数日間に臨時的登校を行い、5月11日からは地区ごと3グループに分け、分散型登校を実施。1時限35分として午前中に5時間授業を行い、課題として出された家庭学習の確認などをしていた。
◎写真説明:クラス全員での授業に教室内は自然と笑顔が広がった(伊賀良小学校で)