飯田市川路小学校の6年生15人は10月31日、天龍峡の遊歩道付近で森の環境整備を行った。森林環境インストラクターの今村公人さん(76)の指導を受けながら、アカマツの再生に向けた幼木の保護や他種の木の伐採をした。
6年生は総合的学習の時間で「ふるさと学習」として、天龍峡大橋や三六災害など天龍峡について学んでおり、今回もその一環。
はじめに今村さんがアカマツについて説明した。太陽光がたくさん必要な陽樹で、伐採跡地など何も生えていない場所に最初に生えるが、やがてカシなどの陰樹が大きくなり、陽の光が当たらなくなると生育できなくなるとした。
アカマツが多く生えた景観が天龍峡の魅了のひとつだったが、山の手入れ不足や松くい虫被害などにより、陰樹で覆わた状況になっている。
今村さんは「かつての峡谷の姿に戻し、地域の活性化につなげたい」と作業の意義を強調した。
遊歩道に着いた児童らは、まずアカマツの幼木近くに、踏まれないよう目印となる竹の棒を差し込む作業をした。よく見るとたくさん生えており、慎重に幼木を探す姿もみられた。
続いて常緑で陽の光を遮ってしまうソヨゴの幼木を伐採。今村さんからのこぎりの切り方を教わり、コツをつかむと夢中になって切っていた。
男子児童の一人(11)は「伐採は慣れたら楽しかった。将来アカマツの大きくなった姿を見てみたい」と笑顔。今村さんは「天龍峡は自然が魅力の一つ。子どもたちが大人になり帰って来たときに、作業した森が良くなったと実感してもらえればうれしい」と話した。
◎写真説明:アカマツの幼木の近くに竹の棒を差し込む川路小の6年生