飯田市南信濃の和田小学校は28日、道の駅遠山郷かぐらの湯近くの茶畑で茶摘みを行った。全校児童28人に加え、和田保育園の園児やPTA、まちづくり委員など地域住民も参加。昨年の収穫量28キロを上回る35キロを目標に、太陽の光を浴びて輝く新芽を次々と摘み取っていった。
特産品の茶を摘む体験を通じ、地域への理解と愛着を深めるとともに、環境保全意識を醸成しようと毎年行う作業。児童数が昨年度よりも10人少なくなったため、例年よりも多くの地域住民が協力した。
2023(令和5)年度には、児童数が19人にまで減少する見込みの同校。学校運営協議会は「児童数の減少問題は待ったなしの状況」として、本年度に「ウェルカムティープロジェクト・オール和田でお茶を通して人々を呼び込もう」を立ち上げた。
茶摘みも同プロジェクトの一環。移住、定住の促進に向け、まずは短期の教育移住体験から呼び掛けていく方針で、地域のPRに茶を活用していく。
収穫した茶葉を地域内の工場で製茶後、「わだっ子茶」としてパッケージング。7月に飯田市内の公共施設で販売する計画で、児童や地域住民らが学校や地域のPRチラシも配布し、多くの関心を呼びたいとする。
この日、新芽から1本の芯と3枚の葉を摘む「一芯三葉」を心掛け、丁寧に収穫していった児童。5年生の男子児童の一人(11)は「たくさん収穫し、たくさんの人に『わだっ子茶』を飲んでもらい、地域を知ってほしい」と話した。
◎写真説明:茶摘みに励む児童ら